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ドラえもんに必ずしずかちゃんのお風呂シーンがあるのは何故と問われ、藤子・F・不二雄はどう答えたか

藤本は楠部にすべてをあずけたとはいえ、後年、2度だけ注文をつけたことがあった。1度目は、テレビで「ドラえもん」が始まって少し経った頃、一言だけ「私のキャラクターでお願いします」と申し入れた。2度目は「ドラえもん」の映画第3作の完成後のこと。このとき藤本は「評判もいいし、私も作品の出来はいいと思います」と前置きしつつ、強い口調で《でも、私の世界を理解していただいていないようです。監督をかえていただけますか》と告げたという。

作品の良し悪し以前に、その映画を「自分の作品だ」と思えない、監督とはどうも相性が合わないと、先生は感じたのだろうと楠部は解釈する。これを受けて、さっそく新しい監督を選ぶことになる。そこで抜擢されたのが1983年から2004年まで、じつに22作もの劇場版「ドラえもん」を手がけることになる芝山努だった。

これ以後、原作の持つ世界観を大事にすることは、楠部の心に銘ずるところとなった。シンエイ動画はアニメ版「クレヨンしんちゃん」というヒットも生み、原恵一の監督したその劇場版「嵐を呼ぶ モーレツ! オトナ帝国の逆襲」や「嵐を呼ぶ アッパレ! 戦国大合戦」などは、複数の映画賞を受賞し高い評価を受けた。だが、これに楠部は違和感を抱く。「これはもう、原作者の臼井儀人先生の作品ではない。正直『クレヨンしんちゃん』じゃなくなってる」というのがその理由だ。実際に原を呼んで、《おい、今度、劇場に行って、正面から子どもたちの顔を見てみろ! 特に小っちゃいガキが、どんなにつまらなそうな顔をしているかわかるはずだ》
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