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堺の怖い話、妖怪、郵便、そして同人誌発表作品は文学賞に応募できるのか。第2回大阪文学フリマレポ

       
■『妖魅雑考 奇珍怪』(七妖会
妖怪の本をもう一冊。こちらは、蟇仙・鎌鼬・河童といった妖怪について考察したもの。そこでは、さまざまな文献のほか、マンガ・アニメやゲームが参照され、時代を追うごとに妖怪のイメージも変わってきたこともうかがえる。

本書に登場するうち鎌鼬は、いつのまにか皮膚に刃物で切ったような傷ができる現象、およびそれを引き起こすとされる妖怪を指す。もともとこの現象は「構太刀(かまえたち)」と呼ばれていたが、各地に伝わるうちに「カマイタチ」となり、それがもともと妖怪視されていた動物のイタチと合成されることで「鎌鼬」になったとの説もあるという。現象がキャラ化していく過程が面白い。

本書には、本文のほか表紙にも著者のピエール手塚さんによる妖怪画が描かれている。これらはLINEスタンプとしても販売中だとか。

■『別冊BOLLARD TUNNEL』(カトリ企画
演劇の上演台本である戯曲も、立派な文学ジャンルである。それにもかかわらず、その読者というのは、小説とくらべると圧倒的に少ない。出しても売れないから、最近では戯曲の出版は避けられる傾向にあるという。そのなかにあって、戯曲って面白いじゃんと思わせるのが、『別冊BOLLARD TUNNEL』だ。

毎回、演劇に携わる人にフォーカスするという同誌の第1弾では、演劇ユニット「iaku」を主宰する劇作家・演出家の横山拓也をとりあげ、その作品2本を収録、横山へのインタビューや上演時の演出家や俳優の寄稿・コメントもあわせて掲載している。収録作の一つ「人の気も知らないで」(2013年の第1回せんだい短篇戯曲賞大賞を受賞)は、コーヒーショップでのOL3人の会話だけで成立した作品だ。最初は他愛もない会話をしているのだが、話が進むうちに、彼女たちの同僚(会話のなかに登場するのみ)が交通事故で片腕を切断したことが明かされる。ときに口論を繰り広げる3人の会話から浮き彫りになるのは、他人を理解することの難しさ(まさに「人の気も知らないで」)だ。そのことは終盤へ来てOLの一人からの思いがけない告白によって、さらに強調される。テーマとしては重いところもあるが、会話自体は関西弁で小気味いい。

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2014年9月28日のレビュー記事

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