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そうだったのか!レトロな「からくりおみくじ自販機」誕生秘話

そうだったのか!レトロな「からくりおみくじ自販機」誕生秘話
東京・八王子の子安神社に設置されている獅子舞のからくりおみくじ自販機

神社に行くと、ついおみくじをひいてしまうという女性は多いんじゃないでしょうか? 最近設置されているおみくじは、お金を入れると出てくる自動販売機が主流です。それにからくりが付いたものがあるってご存じですか?






「からくりおみくじ自販機」とは、おみくじの自販機に、江戸時代にあったからくり人形を組み合わせたもの。かわいいキャラクターがくじを運んできたり、踊るからくりもあります。どうやって製造しているんでしょうか? 製作・販売を行っている株式会社アピエスに話を聞きに行ってきました。

うさぎさんに目玉の親父、雅楽の演目でおなじみの蘭陵王……からくりおみくじ自販機の作り方


からくり付きのものは商業施設と神社にあるものを合わせて、全国で10数台しかないそうですね。どうして数が少ないんでしょうか?

そうだったのか!レトロな「からくりおみくじ自販機」誕生秘話
株式会社アピエス 代表取締役社長 小口満夫さん


「弊社は、商業施設に設置しているからくりおみくじ自販機を中心に展開していて、全てオーダーメードで受注しています。からくりにかかる費用は1台400万ほど。お安めのものでも150万くらいかかります。量産機と違い高額ですし、設置できる場所も限られています。修理やメンテナンスをすれば長期的に使えることもあり、数は少ないんです」

からくりおみくじ自販機の寿命は、10~20年くらい。ロボットの関節部分などを動かしているモーターは消耗品なので、定期的なメンテナンスは必須なんだとか。

今まで手掛けてきたものでは、埼玉県川越市、横浜中華街にある「蘭陵王(らんりょうおう)」、福岡県門司港の「バナナマン」、富士急ハイランドの「目玉のおやじ」、東京スカイツリーにあるうさぎのからくりなどがあります。点検・修理の都合で、関東圏の方が設置台数は多いそうです。

では運勢を占うおみくじを、からくりはどうやって選んでいるんでしょうか?

気になるおみくじの選定方法は?


「自販機で出すおみくじはホッパーという筒に入れ、順番に送り出しています。からくりのないシンプルな自販機でも同様の仕組みです。からくり付きのものは、出されたくじをロボットが受け取り運んでくるなどの機構を組み合わせています」

つ、つまり……順番? まあ、運命は決まっていると言いますからね。

では、「ここは凶が出やすい」など施設や神社によっておみくじの出る確率が違うという話を聞いたことがあるのですが、これはくじの割合を調整しているんでしょうか?

「大吉や凶などおみくじの割合は、機器を設置する主催者側の希望を反映しています。興行施設の場合、楽しく過ごしてほしいため『お客様が喜ばれるように大吉を多めに』という注文もありますね」

なるほど、置かれている施設によっても、出やすいおみくじは違っていたんですね。

そうだったのか! おみくじ自販機の成り立ち


では社長。どのようにして、からくりおみくじ自販機は誕生したんですか?

「弊社の創業は1974年で、もともとはゲーム機のレンタルを行う会社でした。10数年ほど前から神社に置く獅子舞のからくりおみくじ自販機を、業者と提携して製作していました。その後、商業施設用にオーダーメードのものを受注するようになったんです」



自動で出るおみくじ機は、山口にある女子道社という会社が明治39年に開発。同社は今、くじのみを製造していて、アピエスさんが全国の自販機のメンテナンス、修理、改造を行っています。

ちなみにオリジナルのからくりを1台作るために必要な期間は、約3ヶ月。クライアントさんと打ち合わせをしながら、製作していくといいます。オーダーメードのからくりは、毎回新しく図面をひいて作っているんですよね。機構の調整などが難しいんじゃないでしょうか?

からくりの開発で苦労するのは、メカじゃなかった


「プログラミングや設計などのメカ的な要素は、今までの経験やノウハウがあるので、意外と苦労しないんです(笑)。オリジナルの製品なので、備品などの準備がたいへんです。蘭陵王のからくりは、人形に着せる衣装を布地から手配しました。

ロボット部分の苦労として強いて言うなら、クライアントさん希望のキャラクターと製作するロボットの等身のバランスをマッチングさせる、試行錯誤があります。大抵のキャラクターは3等身など、頭のほうが大きいですよね。ロボットは頭を大きくすると、重くて落ちるなどの不具合が起きてしまうんです」

カクカクとしてしまうロボットの動きをどうしたら滑らかな人間に近い動きにできるか、モーターが入って太さが出てしまう腕をどうやって華奢な女の子に見せるかなど、それぞれのからくりにもこだわりがあるんだとか。

「商業施設のおみくじ自販機は、からくりやコンテンツをうまく組み合わせるオリジナル性が命です。日本独自の文化であるおみくじは気軽に占いを楽しめて、飽きずに何度でも遊べる良さがあります。販促ツールとしても役立っています」

アピエスさんは現在、巫女さんが動くからくりおみくじ自販機を製作中。年内には姫路城にお目見えする予定だそうです。

じつはからくりおみくじ自販機を製造販売しているのは、株式会社アピエスさん1社だけ。おみくじをバラエティ豊かな新しいエンターテイメントにした貴重な技術です。ノウハウを後世まで残して、今後も新しいからくりを製作し見せてほしいですよね。
(石水典子)

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