先月発売されたSKE48の最新シングル『FRUSTRATION』で新センターに抜擢された古畑奈和。2011年に5期生として加入以降、ずっとセンターに立つのが夢だったという彼女にセンターに立った今の気持ちを聞いた。
金髪&ピアスの個性派センターとして、グループに新しい風を吹かせている古畑がいま抱えているグループへの、そしてセンターへの思いとは。(『月刊エンタメ』9月号掲載)
──SKE48の新シングル『FRUSTRATION』でついにセンターに立ちました!

古畑 ありがとうございます!

──ちなみにセンターと聞いたときはどう思ったんですか?

古畑 うーん……あら? と思いました(笑)。

──どうやって知りました?

古畑 「面談があります。メイクをしてきてください。カメラもあります」って事務所に呼び出されたんです。そもそもカメラもある面談って何? って思って(笑)。怪しいと思いつつも、もしかして? って思った部分はありました。実際、会議室で告げられたときはホントに来たんだ! って思いました。

──センターに選ばれた理由について、何て言われました?

古畑 “新しいSKE48を見せるため”と言われました。

──運営会社も変わり、SKE48も変わり目にいますね。

古畑 今回選ばれた理由は、私のファンの方が本当にずっとついてきてくれていたことも1つです。握手会にこまめに来てくださって、SNSにも反応してくださったり、私だけの力ではなく、ファンの方が支えてくださっているからこそだと思っているので。
私はそういうファンの方たちに恵まれて運がいいと思うんです。

──入った当初、古畑さんのファンって男性が多いイメージでしたが、最近は女性ファンが増えているとお聞きしました。

古畑 何でだろう? 何でなんですかね(笑)?

──女の子のファンに何か発信していますか?

古畑 私、女子力めっちゃ低いので特にないです(笑)。う~ん……パフォーマンスが大きかったかもしれませんね。

──中性的な魅力もある気がします。

古畑 『無意識の色』(SKE48の22ndシングル)の発売時ぐらいかな? 公演でユニット曲の『おしべとめしべと夜の蝶々』をやり始めた頃。あのときはまだ髪の毛も長かったですけど、あの頃から言いたいことがあったら言うようにしていて、そういう言葉が響いてくれたのかもしれません。

──言いたいことを言うようになった理由は?

古畑 何というか、「いいか」って開き直りみたいな感じでした。例えばの話ですけど、私が何か成し遂げたりするとするじゃないですか。そのことに対して、マイナスなことを言ってくる人は言ってくるし、逆に陽の目を浴びないと「努力をしていないから」と言う人は言うんですよ。そういう反応を気にしているって時間の無駄だなって思って。自分の人生なのにどうして自分の好きなように生きられないんだろうって考えたとき、言いたいことは何でも言ってもいいかなって。


──以前は気にしていましたか?

古畑 以前は……そうですね。単純に怖かったです。これを言ったら、こう言われるかなとか。自分がいろんなことを言われて耐えられる容量が大きくなかったから、自分自身も発言するのを怖がっていたんだと思います。もし言ったとしても公式ブログやモバイルメールとかで(笑)。

──松井玲奈さんが卒業したあと、SKE48のリクエストアワーで『前のめり』(松井玲奈センターのSKE48の18thシングル)のセンターを古畑さんがやったときに違和感なく、スッと入ってきたんですよね。

古畑 えーーー! うれしい。

──次のセンターは古畑さんかなって思いました。だから意外と長かったなって(笑)。

古畑 4年ぐらい(笑)。確かにあのときの会場の光景と歓声は覚えています。今までに聞いたことがない、ファンの方たちの声援でうれしかったです。
でも当時、スタッフさんは叩かれない人を選んだのかなって思っていました(笑)。今回センターに立ったことで、私は遠回りをしたとは思っていないし、無駄な時間は1つもなかったです。

──実際に今回、センターに立ってみてどうでしたか?

古畑 カメラマンさんが近かった(笑)。あとスタッフさんの視線を感じながら踊っていました。

──センターに立って、自分の中で何か変わりましたか?

古畑 いや、今はまだ具体的なことはないんですけど、今の私を選んでくださったということは、今の私でいいのかなって。無理に悩まなくてもいいのかなって思っています。自然体でいようって。

──センターってどういうイメージでしたか?

古畑 (松井)珠理奈さんはセンターとしての強さとか、センターをやってきた貫禄というか、重みみたいなものがあるなって思います。後輩がセンターに立った姿や、同期が立った姿を見てきたけど、いろんなプレッシャーもあるんだろうなって、過酷だなって思っていました。センターになると、自然といろんな人の意見が耳に入ってくるから、悩むはずなんです。だから大変だったろうなって。今の私とはまた環境が違ったんだろうなって。


──古畑さんはセンターに立ちたかったんですか?

古畑 アイドルをやるからにはトップはセンターなんだって思っていました。センターに立つことは同期と掲げていた夢でもありましたから。私が同期と掲げた夢が、今はファンの方との夢になったので、ここまでブレずに来れたのかなと思います。

──家族の反応は?

古畑 いや~かなりすごかったですよ。母はずっと拍手してました。父には話さなかったです。

──えっ!?

古畑 口が軽いんですよ。うれしくてすぐ言っちゃうから(笑)。

──なるほど。ニュースで知ったかもしれませんね(笑)。

古畑 あっ! 確かに、発表したら自分から言おうって思っていたのに結局話すのを忘れていました。

──今回の新曲『FRUSTRATION』はレゲエダンスの動きを取り入れたセクシーなダンスが見どころです。


古畑 ダンスの先生が「奈和ちゃんがセンターと知って、セクシー要素を足しました」って教えてくれて。私の要素を活かしてくれたことがすごくうれしかったです。

──SKE48の曲での古畑さんのダンスって、自分自身でフリを加えているイメージなんですが。

古畑 アハハハ。うん、まぁ(笑)。

──それは嫌味じゃなく、すごく良く見えていますから。今回も目がいく人が多いと思います。

古畑 そう言っていただけるのはうれしいです。

──今回のMV撮影はロサンゼルスでしたけど、初めてですか?

古畑 1回、テレビ番組の収録でラスベガスに行ったことはあるんですけど。2年前かな?

──ロサンゼルスはどうでした?

古畑 空が青かったです。ちょっと肌寒いときもあったけど気候も過ごしやすかったです。地元の人もとてもいい人たちで、すごく気さくでしたし。
ご飯はステーキを食べに行きました。

──MVの見どころは?

古畑 クラブっぽいノリで、泡パーティーをしたり「LAに来ました」って感じを表しているのかなって。リップシーンはフリーでやらせてもらって、みんな自由に踊っていました。屋根に上って踊ったんですけど、それもすごく気持ちよかったです。将来、屋根に上がれる家に住みたいって思いました(笑)。

──今までのSKE48とはまた違った新しい感じの曲ですね。

古畑 確かに、ファンの方がコールを入れられるのかなって思いました。『不器用太陽』(SKE48の15thシングル)以来のラップも入っていますから。サウンドを作っている方たちもすごい方たちらしいんですよ! だから責任感を感じます(笑)。

──古畑さんはいくつかの舞台出演、ソロでのシングル発売、そしてついにセンターと階段を一歩ずつ登ってきているイメージです。

古畑 頑張ったなって思います。一歩一歩、自分の自信になることができているってことが幸せだなって思いますね。

──アイドルをやめたいって思った時期はありました?

古畑 本気でやめようって思った時期はないですね。

──ところで髪の毛の色をよく変えていますよね?

古畑 去年の夏の舞台で切ってから(AKB48グループ感謝祭~ランクインコンサートで、歌唱中自ら髪の毛をハサミで切る演出をした)、インナーをオレンジ色にし始めて、そこからスパンをあけずにいろいろやりました。

──色を変えた理由は?

古畑 とくに理由はないです。気分です(笑)。私、何をやるにしてもとくに理由はなくて、直感で生きているタイプだから(笑)。これ、可愛いじゃん、やろうって、そんな感じ。

──古畑さんから見て、今のSKE48の現状はどう見えますか。

古畑 いい感じだと思います。新しい会社では1人ひとりの個性を見てくれて、この子にはこの仕事がいいのかもしれないねって、相談に乗ってくれたりもしています。

──これからの夢は?

古畑 死なない程度にお金を貯めて生けていければいいなって(笑)。いろいろなことにも挑戦してみたい。この前、舞台「ハムレット」に出演させていただきましたし、ドラマにも興味があります。歌はもちろん、いろいろ挑戦して探っていきたいなって思っています。

──最後に一言お願いします。

古畑 新曲はみんなと一緒に盛り上がれるし、夏にピッタリの曲だと思うのでぜひ聴いて盛り上がってほしい! 私もぶっ飛びますから(笑)。
▽古畑奈和(ふるはた・なお)
1996年9月15日生まれ、愛知県出身。O型。5期生。チームKII所属。ニックネームは「奈和ちゃん」。
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