今年1月から3月まで放送していた「バナナマンのしらバナ!」(TBS系)が面白かった。MCのバナナマン・設楽統日村勇紀が、あまり絡みのない若手芸人にネタを披露してもらい、その後のトークコーナーでパーソナルな部分を深掘りしていく番組だ。


 パイロット版を含めてどの回も見応えがあったが、とくに2月放送の「お笑いトリオ・トンツカタン解散危機」回が印象深い。まず森本晋太郎が昨年末にお抹茶から「解散を考えている」と言われたと告白。これを受けてお抹茶はトリオの仕事がほぼない中、ピンでの活動が多い森本に嫉妬心を募らせるようになったと正直に明かす。


 同回にゲスト出演したちょんまげラーメン・田渕章裕は「森本ぐらい有能なやつなんかおらんて」「解散癖つく可能性あるで」とお抹茶に熱く訴え、日村も「絶対このままいったほうがいい」と賛同。かつて日村は、高校の同級生とのコンビ「陸上部」で活動したが解散。次に才能のある設楽と出会えたのは「運でしかない」と力説する。


 設楽は「続けたほうが絶対いい」と口にした半面で「『やろうよ』っていう感じに森本がもうなってない」と客観的な意見も提示し、最終的には10年以上活動してきた歴史を慮りながら、「期限決めてみたら? 今年いっぱいとか半年後とか」とアドバイス。


 もうひとりのトンツカタン・櫻田佑が涙ぐむシーンもあり、現場のシリアスな空気感が伝わってくる回だった。その後、お抹茶が「R-1グランプリ」準優勝を果たすも解散。彼らにとって、これが最良の選択だったと信じたい。


■若手時代から鶴瓶やウンナン相手に平然とトーク


「しらバナ!」を見ているうち、「いろもん」(日本テレビ系。1997年~2002年放送終了)を思い出した。

初期は笑福亭鶴瓶ウッチャンナンチャン、途中からウンナンに代わり今田耕司東野幸治が司会を務めたトークバラエティーだ。


 ゲストは、立川談志明石家さんまといったベテランから、爆笑問題ネプチューン海砂利水魚(現・くりぃむしちゅー)など「ボキャブラ天国」シリーズ(フジテレビ系)でブレーク中のメンバー、おぎやはぎや北陽ら当時の若手まで実に幅広い。とくに司会者3人が若手と絡む姿が新鮮で、バナナマンもこの番組に出演している。


 最初にバナナマンが歌ネタでスタジオを沸かせ、トークコーナーに入ると設楽と日村の経歴や私生活のエピソードなどが次々と明かされていく。司会者の力量を感じると同時に、鶴瓶やウンナンを前に平然とトークを展開する設楽に驚いた記憶がある。


 昨年、ある取材で設楽と顔を合わせた折にもその印象は変わらず、周囲を包み込むような絶対的な安心感があった。そんな設楽がいるからこそ、「しらバナ!」に出演する若手は率直な感情をさらけ出せたのではないか。


(鈴木旭/お笑い研究家)


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