岡田将生の主演ドラマ『田鎖ブラザーズ』(TBS系)が話題を集めている。わずか2日の差で時効を迎えた両親殺人事件を追う社会派サスペンスドラマだ。
視聴者からの評価は高く、ネット上でも《入り組んだストーリーと伏線に、すごいものが見られそうという予感がある》《見たことのないキャラクター設定に惹きつけられる》との声が上がっている。
そんな本作の脚本家の“正体”にも注目が集まった。手掛けているのは90年代に一世を風靡した元お笑いコンビ・グレートチキンパワーズ(以下グレチキ)の渡辺啓だ。
芸人から脚本家へ。その経緯を知る業界関係者は「あの渡辺が、と驚いた人間も多いはずだ」と話す。
■元祖アイドル芸人として活躍 不名誉な代名詞も
グレチキといえば、今でいう“アイドル芸人”の先駆け的存在だ。かつての人気番組『天才・たけしの元気が出るテレビ!!』(日本テレビ系)で優秀賞を獲得し、94年に芸能界入り。
デビューからまさにレールに乗ったような芸能生活で、歌手や俳優としても活動。歌番組にも出演し、楽曲「MIX JUICE」は30万枚を超える大ヒットを記録した。
だが、女子高生をメインに熱狂的な人気を誇った彼らの“芸人”としての評価は芳しくなかった。
「『爆笑オンエアバトル』(NHK)出演時、グレチキの獲得票数が0票だったことは、悪い意味での伝説として語り継がれています。ビジュアルがいいだけで面白くない、ダサいという評価が芸人界隈に定着し、人気と実力が反比例する典型の代名詞として使われるほどでした」(業界関係者)
芸人が脚本を手掛ける「強み」とは
しかし、渡辺は思わぬ形で再評価されることになる。
その作風は幅広い。映画『HiGH&LOW THE WORST X』のような骨太な不良ものや、ホストの世界を舞台にしたドラマ『夜王』(TBS系)、少女漫画原作のラブコメ映画『私がモテてどうすんだ』などに脚本家の一人として参加。今作『田鎖ブラザーズ』のようなサスペンスも手掛けるなど、ジャンルを問わない作風は大きな武器になっているだろう。
「芸人は毎週新ネタを書くこともざらではありません。常に新しい設定、新しいキャラクター、新しい脚本を考え続けている生活が、脚本家としての素養を自然と育てるのでは」(前出の業界関係者)
加えて、お笑いはより「大衆に届くわかりやすさ」が求められる世界だ。その感覚が、幅広い視聴者に受け入れられる必要がある連続ドラマと相性がいいのだという。
「さらにコントでは設定を裏切るボケが軸になることも多い。予想外の展開や伏線の張り方に長けた脚本家が芸人出身に多いのも、そこに理由があると思います。かもめんたる・岩崎う大さんやバカリズムさんらはその代表格といえるでしょう」(前出の業界関係者)
グレチキを知らない若い世代にも、渡辺啓の名前が知れ渡る日は近そうだ。
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脚本家として活躍するバカリズムの実力とは?関連記事【もっと読む】『売れっ子脚本家バカリズムは深夜にダベった幸福な時間をドラマで蘇らせている』…では、その実力に迫っている。

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