【テレビ局に代わり勝手に「情報開示」】


 あります。あるなんてもんじゃないくらい細かくて厳格なルールが皇室報道には定められています。

しかし、残念ながら私はほとんどその内容を知りません。ごめんなさい。一応皇室報道を担当する社会部で記者をしていましたし、そのあとニュース番組のニュースデスクやプロデューサーをしていたのですが、その私でも「皇室報道のルールはよくわからない」と言わざるを得ないほど、皇室報道は特別な領域なんです。


 私がいたテレビ朝日では、社会部に「宮内庁担当」という記者がいて、それが皇室報道の担当者です。これは多分各局ほとんど変わらないと思います。そしてこの「宮内庁担当」以外の人間はあまり詳しく皇室報道のルールに触れることはありません。
 私が知る限り、宮内庁担当の記者をしているのはだいたいどの局でもベテランです。そして、その人が長年にわたって宮内庁担当を続けていて、あまり交代することがないのも特徴でしょう。そして、もうひとつの特徴として、各局ともアナウンサー出身者が多いと思います。たぶんこれは「皇室取材で失礼な口を利いたり、無礼な態度をとってはアカン」と思うからこそ、各局ともアナウンサー出身者を起用するんだと思います。


 僕が思い出すのは、テレビ朝日にいた神田秀一さんという方です。やはりアナウンサー出身のものすごいベテランの記者で、いつもほほ笑みを浮かべている優しい大先輩でした。

たぶん神田さんがいなければ皇室報道は成り立たなかったと思います。そして神田さんは社を定年退職されてからも、学者さんとしてよく番組出演していらっしゃいましたね。


 宮内庁担当記者たちは、宮内庁記者クラブというところに所属していて、その記者クラブで宮内庁の広報といろいろとやりとりをするのでしょう。そしていろいろと「皇室ならではの特別なルール」がそこで共有されているはずです。私の知る限り、映像は代表取材で、幹事社の代表カメラが撮影した映像をみんなで使うことが多かったり、皇族方への質問も幹事社が代表で聞くことが多かったりするはずです。


 あと、最近は若干緩くなってきましたが、かつては「皇族方の顔に絶対にテロップが載ってはいけない」というのは口を酸っぱくして言われましたので、通常右上に出ていることが多いサイドテロップが皇室関連だけ右下に出されることが多かったです。あと、ニュース原稿で敬語の使い方のルールが非常に難しかった。普通の人より敬語のレベルを上げるのですが、さりとて使いすぎてもダメで、いまだにきちんと皇室原稿を書ける自信はありません。ということで、私にわかる皇室報道のルールといえば、そんなものです。ごめんなさいね内容が薄くて。


(鎮目博道/テレビプロデューサー、コラムニスト、顔ハメ旅人)


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