幼稚園・保育園や小学校に通う子を持つ親にとって、子どもたちが友だちと仲良くできるのかというのは不安の種。そして同時に、ほかの保護者たちとうまくやっていけるのかという心配も多いようです。


 けれどそんなときこそ、声をかけてくる人物には注意が必要かもしれません。

不安でいっぱいだった、長男の入学

 小学校に長男が入学したばかりの里山裕子さん(仮名・当時20代)は不安でいっぱい。保育園のときに仲良くしてもらっていたママ友たちの子どもたちとは趣味や興味が違っていたため、入学を機に仲の良かった子と離れてしまった長男に友だちができるかが悩みの種でした。

ママ友の手料理をご馳走になったら「3000円ね」と言われて困...の画像はこちら >>
「すごく心配だったのですが、入学後しばらくして長男が、『岸田くん(仮名)っていうすごくやさしい子がいてね。その子のママもすごくやさしい』と話してくれたことに安心していました。そんなとき参観日があったので、岸田くんのママに挨拶をしようと思っていたんです」

 子どもたちの様子から、すぐに岸田くんのママが判明。けれど常にママ友たちに囲まれていて、挨拶や声をかけるタイミングがつかめないでいました。すると岸田くんのママと話していたママのひとりが「裕貴くんのママだよね?」と声をかけてくれたのだとか。

「さらに『いま岸田くんのママたちとも話してて、ランチ会をやることになったんだけど、里山さんも来ない?』と誘ってくれ、そのあと岸田くんのママとも引き合わせてくれたんです。声をかけてくれたママも岸田くんママも、話しやすくていい雰囲気でした」

手料理ランチ会で3000円を徴収される

 ランチ会へ行くことにした里山さん。集合場所は岸田くんママ宅で、さらにはお昼ご飯も振る舞ってくれると聞き、各々が持ち帰ることもできる個包装の焼菓子を持参することにします。ランチ会には里山さんと岸田くんママも含め、6人のママたちが参加。

「部屋は6人のママでいっぱいになり、座卓にぎゅうぎゅう詰めで座りました。しばらくするとひと口サイズの料理がお皿に乗ったコース形式で出てきて、食べている途中で『いまのうちに食事代を集めておくね』と岸田くんママがお金を徴収しはじめたんです」

 しかもその額、3000円。
ただ、食事を振る舞って食材費を徴収するママ友たちの会は耳にしたこともあったし、食事を作るには食材費もかかります。部屋にもお邪魔させてもらっているし、まぁ仕方ないと思いながら料金を支払った里山さんでしたが……。

ママ友の手料理をご馳走になったら「3000円ね」と言われて困惑。その後、もっとゾッとする出来事が…
ママ友
「正直、仲の良い友だちにご飯を作ってもらったら、次は私が作るとか、少し豪華な手土産を持って行くという感じだったので、現金を支払うことに抵抗がありました。事前に何のお知らせもないまま当たり前のように料金を徴収されたことも不満に思いました」

 さらに食事中の話題も、里山さんには苦痛でした。

「ずっと学校や子どもの友だちに対する不満や悪口が飛び交っていて……なんだか料理の味がしませんでした」

寄り添ってくれるママたちに自己嫌悪

 早く帰りたいと思っていたとき、岸田くんママから「子どもが学校やクラスで孤立することほど、親にとってつらいこと、ないわよね?」と振られて思わず頷いた里山さん。

ママ友の手料理をご馳走になったら「3000円ね」と言われて困惑。その後、もっとゾッとする出来事が…
ママ友
「すぐにママたちは『同じ保育園を卒園した子が少ないと不安でしょう?』『仲間がいるって心強いわよ』『子どもたちのことを考えたらママも団結しなきゃ』『子どもが友だちをつくりやすい環境にするのも親の役目よね』『いつでも頼ってね』と口々に言ってくれました」

 あたたかい言葉の数々を心強く思い、料金を徴収されたことに不満を持ってしまったことを申し訳なく感じていた里山さん。岸田くんママから「今度は夜、いっしょにどうかな?」と声をかけられ「嬉しい。ありがとう」と力強く頷きます。

「ママたちは全員が満面の笑みを浮かべ、すごく歓迎してくれているようでした。でもそのすぐあと隣に座っていたママから『3人に1人は入っているんだから大丈夫よ』と言われたんです。突然だったし、最初は何を言われているのか全然わかりませんでした」

言葉の謎が解けてゾゾゾ……!

 ママたちは「入会すればママ友なんてすぐにできるし、子どもが学校で孤立することもないわよ」「そうそう、同じ学校に通う仲間もいっぱいいるんだから」と続けます。そして徐々にそれが宗教の勧誘であり、ママたちの様子から全員が同じ宗教の信者なのだと判明。

「ランチ会の目的は宗教の勧誘だったのです。
お金も徴収されたうえ、子どもをダシに勧誘までされそうになってすごく怖くなり、用事を理由にさっさと退散しています。それ以降、クラス替えがあるまでは子どものために用事や仕事を言い訳に誘いを断り続けました」

 子どもたちの環境が変わる入園や入学時などはママも不安がいっぱい。けれど子どものことを考えすぎたり、孤独や寂しさを怖がりすぎたりしていると良からぬ人たちがすり寄ってくる可能性もあります。ママ友選びはくれぐれも慎重に。

<文/山内良子>

【山内良子】
フリーライター。ライフ系や節約、歴史や日本文化を中心に、取材や経営者向けの記事も執筆。おいしいものや楽しいこと、旅行が大好き! 金融会社での勤務経験や接客改善業務での経験を活かした記事も得意。
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