それ以来、大規模な発掘調査が行われ、ノク文明は西アフリカ初の複雑な文明のひとつで、少なくとも紀元前900年から西暦200年に謎の消滅をとげるまで、存在していた可能性があることがわかった。
ユニークなテラコッタ像を作っていたノク文化● ノク文化(文明)は、高度に発達した社会で、当時としては非常に複雑な司法制度をそなえ、サハラ以南でもっとも早い時期に等身大のテラコッタ像を作っていた。
石器や岩絵、槍の穂先などの鉄製の道具、ブレスレット、小さなナイフなどの遺物が見つかっている。
ノク文化の中でもっとも謎めいていて興味が尽きない点は、なんといっても、ひたすらユニークなテラコッタ像だろう。
これら像のギャラリーを管理する「メモワールダフリック(アフリカの記憶)」が、「並外れた、驚くべき、時代を超越した、地球のものとは思えない」と表現している芸術品だ。
少なくとも紀元前500年にさかのぼるこれらの像は、実際の人間とほぼ等身大で、大きく細長い頭、アーモンド型のくぼんだ目、少し開いた唇をもつ。
こうした特異な特徴は、像の頭、胴体、足の比率が正確に作られていることを考えるとなんとも困惑し、"地球外生物のようだ"と言われることもある。
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ノク文化のテラコッタ像のひとつ / image credit:WIKI commons CC by SA 3.0 彼らは何のために多くのテラコッタ像を作り上げたのか? 像の中には、象皮病や顔面麻痺など、身体的な障害をもっている人を描いたと思われるものもあり、このように障害を正確に表現した明確な目的は不明なままだ。
病気から身を守るお守りとしての機能を意図していた可能性はあるが、あくまで推測に過ぎない。
テラコッタに使われた粘土を顕微鏡で調べてみると、ノク文化のエリア全体で驚くほど均一であることから、粘土はまだ未発見の単一の供給源からきていたと思われる。
これら独特な彫刻像が作られた目的はわかっていないが、作物の不作、病気、不妊を防ぐ護符、あるいは人々に崇拝された身分の高い人物を表しているといった説がある。
しかし、等身大像の制作だけが、この文明社会の進歩の証拠ではない。
研究によると、ノクの人たちは、法と秩序を保つために、高度に発達した行政システムをつくっていたことが明らかになっている。
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ノク文化のエリア / image credit:WIKI commons CC by SA 30高度な金属加工技術を持っていた ノク文化は、当時としてはかなり進んだ優れた金属加工技術でよく知られている。
鉄と銅の合金を使って、複雑なものを巧みに作りあげ、武器、道具、装飾品を生み出した。
その金属加工技術には鋳造、鍛造、溶接も含まれ、さまざまな大きさのものや複雑なものを作ることができた。
工芸品の多くは、幾何学的な形や様式化した動物など、手の込んだ模様やデザインで装飾されていて、その芸術的能力をいかんなく発揮している。
彼らの金属加工は、機能的であるだけでなく、審美的にも見事なものだ。
ノクの人たちの金属加工技術は、彼らの経済的、社会的地位においても重要な要素だった。
彼らは、自分たちの金属製品を近隣のコミュニティと交換し、熟練した職人としての評判を確立した。
鉄器や武器を生産する能力のおかげで、ノクの人たちは隣人よりも優位に立つことができ、より多くの土地を農地に開墾し、自分たちのコミュニティを守ることができた。
金属加工ができることは、社会において強力で重要であるとみなされたため、金属製品の生産は、社会階層の発展にも重要な役割を果たした。
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ノク文化の溶鉱炉 / image credit:public domain/wikimediaノク文化の司法制度 ノクの司法制度が、西洋の司法制度よりも遥か昔のものであることは間違いない。ノクの人たちは、家庭内のもめごとや虚偽の申し立てなどの軽微な民事事件から、窃盗、殺人、姦通などの刑事事件まで、裁定を下す裁判所という制度を作った。
人々は、すべての犯罪は、家族全体を破壊しかねない呪いをまねくため、それを避けるために真相を明らかにしなくてはならないと信じていた。
容疑者は公開法廷に連れてこられ、伝統的な誓いをたてる。
ノムと呼ばれる最高神である太陽に面したふたつのモノリスの間に立って、真実を話すと誓うのだ。この公開法廷で解決できない事件は、隔絶された神殿の中にある最高裁に持ち込まれる。
法廷は、主任司祭とさまざまな一族の長によって進行され、有罪とされた者は、神への捧げものにするヤギやニワトリを罰金として課せられ、主任司祭へ地元ワインも納めなくてはならない。
それから町は祝賀の日を宣言し、問題を解決して、人々の破滅を回避してくれた神に感謝を捧げる。
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馬に乗る男のテラコッタ像 / image credit:WIKI commons CC by SA 30謎の消失を遂げたノク文化 土壌層の中の陶器やテラコッタの量が激減したことは、かつて繁栄していたノクの人口が、かなり急速に減少したことを示しているが、西暦200年以降にも彼らが存在した証拠も、いなくなってしまった理由を示す証拠もない。
天然資源の乱開発や木炭への過剰依存が原因だという者もいれば、気候変動や、伝染病、侵略、飢饉などの可能性もあるという者もいる。
ノク文化は、のちの人々にすばらしい文化遺産を残したが、彼らが消えてしまった本当の理由や、ユニークなテラコッタ像の意味など、まだまだ答えの出ない多くの謎が残っている。
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References:The Highly Advanced and Mysterious Ancient Civilization of the Nok / written by konohazuku / edited by / parumo
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