世界初、カカオ豆の細胞を培養して作ったチョコが誕生。2027年にアメリカで販売へ
一般的なミルクチョコレート Image by Istock <a href="https://www.istockphoto.com/jp/portfolio/iTOPNG?mediatype=photography" target="_blank">Bogdan Nicolaescu</a>

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 研究室で細胞を培養して作る代替食品は、肉や魚など、様々な食材で開発が進められているが、今回、世界初となる、カカオ豆の細胞を培養して作ったチョコレートが誕生した。

 アメリカの食品大手モンデリーズ・インターナショナル社が資金提供し、イスラエルの企業が培養させることに成功。

 この手法で作られた試作品のミルクチョコレートは、本物と変わらない品質であることが確認された。

 深刻なカカオ不足を解消するための新しい選択肢として、2027年にアメリカでの一般販売を目指すという。

世界的なカカオ不足の中、チョコレートの安定供給を目指す

 私たちが愛してやまないチョコレートが、今、深刻な供給不足に直面している。

 主な生産地である西アフリカの異常気象や病害によってカカオ豆の収穫量が激減し、原材料の価格が世界的に高騰しているからだ。

 このままでは、製品を安定して消費者に届けることが難しくなる可能性がある。

 そこで、150カ国以上で事業を展開するアメリカの食品大手モンデリーズ・インターナショナル社は、イスラエルのスタートアップ企業、セレステ・バイオ社へ資金提供し、共同でプロジェクトを進めてきた。

 その狙いは、天候や環境の変化に左右されず、将来にわたって高品質なチョコレートの原材料を安定して確保することにある。

 工場でカカオの細胞を培養するという新しい選択肢を確保するための挑戦が始まったのだ。

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巨大なタンクでカカオの細胞を効率的に増やす

 このプロジェクトが採用したのは、バイオリアクターと呼ばれる巨大な培養装置を活用する技術だ。

 まず、1粒のカカオ豆から健康な細胞を取り出し、栄養分が豊富に含まれた液体で満たされたタンクの中に入れる。

 すると細胞は、最適な温度と栄養状態で爆発的に増殖し、チョコレートの口溶けを左右する重要な成分「ココアバター」を生成し始める。

 この方法の生産効率は非常に高い。

 セレステ・バイオ社によれば、1000リットルのタンクを使えば、1粒の豆から年間で1トンものココアバターを生産できる可能性があるという。

 本来、1トンのココアバターを得るには野球場1つ分に相当する約1ヘクタールの土地で何年も栽培を続ける必要があるが、培養技術ならその土地も長い年月も必要としない。

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プロが味と品質を認めた培養ミルクチョコレート

 食品メーカーにとって、原材料の安定確保と同じくらい重要なのが「最終製品としての味と品質」だ。

 今回のプロジェクトでは、培養されたココアバターを使用して、実際に私たちが普段口にするようなミルクチョコレートバーが製造された。

 モンデリーズ社が自社の厳しい品質基準でテストを行ったところ、この培養成分を用いたミルクチョコレートは、従来の製品と全く変わらない風味と滑らかな口溶けを持っていることが証明された。

 この培養ココアバターは、成分の構造が天然のものと完全に一致しているため、単なる代用品ではなく「本物のチョコ」として扱うことが可能だ。

 さらに同社は、AIを活用して、チョコが溶ける温度や味の深みを自在に調整する研究も進めている。

 これにより、暑い地域でも溶けにくいチョコや、特定の香りを際立たせたチョコなど、消費者の好みに合わせた理想的な素材を安定して生み出せるようになる。

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2027年にアメリカでの販売を目指す

 セレステ・バイオ社は、2027年までにアメリカ市場でこの培養ミルクチョコレートを一般販売することを目指し、現在は規制当局による承認を待っている。

 この技術が普及すれば、森林を切り開いて新しい農園を作る必要がなくなり、環境負荷を抑えた生産が可能になる。

 企業にとっては、将来の原材料不足という不安を解消する大きなメリットがある。

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培養食品に対する慎重な声も

 一方で、慎重な議論も求められている。

 例えばイタリアでは2023年、自国の食文化や農家を保護するために、培養肉などの「合成食品」の製造・販売を禁止する動き[https://www.bbc.com/news/world-europe-67448116]があり、その法案が可決された。

 培養チョコも同様に、これまでカカオ栽培で生計を立ててきた農家の生活にどのような影響を及ぼすのか、また工業的なプロセスで作られた食品が人々にどう受け入れられるのか、といった点は今後も注視していく必要がある。

 どうしてもチョコが食べたい。でもカカオが足りずに値段が高騰。

そんなときの選択肢として、安全性が確立されているのなら、毎日一粒チョコレートを食べるのが生きがいの私なら、食べちゃうだろうな。だってチョコおいしいんだもん。

References: Celleste Bio™ Unveils World's First Milk Chocolate Bars Made with Cell Cultured Cocoa Butter[https://www.prnewswire.com/news-releases/celleste-bio-unveils-worlds-first-milk-chocolate-bars-made-with-cell-cultured-cocoa-butter-302743203.html] / World-first cell-cultured cocoa butter powers breakthrough milk chocolate with identical taste and melt[https://nutraceuticalbusinessreview.com/world-first-cell-cultured-cocoa-butter-powers-breakthrough]

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