ペットのヤギ2匹、救助隊を竜巻で閉じ込められた飼い主家族の元に導く
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 2026年4月、アメリカ・オクラホマ州のイーニドを襲った巨大竜巻は、住宅を基礎だけ残して吹き飛ばし、街に大きな爪痕を残した。

 最大風速は推定で時速約274km。

竜巻は約37分にわたって地上を進み、住宅や農地を破壊しながら約15kmを移動した。

 幸いにして死者は出なかったが、進路にあたった住宅の多くが壊滅的な被害を受け、辺り一帯は瓦礫の山となった。

 そんな中、地下シェルターに避難していた家族が、瓦礫の下に閉じ込められた。救助隊を家族の元へ導いたのは、なんと2匹のペットのヤギだった。

地下シェルターに避難して九死に一生を得た家族

 この竜巻(トルネード)は2026年4月23日の20時11分、イーニドの南西にあるヴァンス空軍基地の南側で発生し、そのまま北東方向へ進んだ。

 そして約37分後の20:48ごろ、民間の空港であるウッドリング空港の西側で消滅したとみられている。

 その夜、竜巻の進路に自宅があったメアリー・スロートさんの一家は、地下にあるシェルターへ避難していた。

 竜巻が到達したとき、地下でもガラスが割れる音が響き、外壁のレンガが崩れ落ち、ドアがへこむ音が聞こえていたという。

レンガが落ちてくる音が聞こえて、防空壕のドアもへこんでしまったんです。壁からレンガが崩れてきたんだとわかりました

 メアリーさんたちは竜巻が通り過ぎるまでの間、生きた心地もしなかった。だが竜巻が過ぎた後も、事態は良くなったとは言えなかった。

 竜巻で破壊された家やフェンスなどの瓦礫の山がシェルターの入り口を覆い、一家はそのまま閉じ込められてしまったのである。

 下がそのシェルターの入り口だ。

頑丈な扉がへこんでいるのがわかるだろうか。

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ペットのヤギが救助隊に入り口の場所を教える

 無限とも思える時間が過ぎた後、救助隊が地下シェルターの入り口を探し当てて、家族はようやく外に出ることができた。

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 一家はパーシーとペニーという名前の2匹のヤギを、ペットとして敷地で飼っていた。

 ヤギたちは助からないであろうと胸を痛めていたのだが、外へ出て見ると、なんと2匹は無事だったのだ。

(竜巻が猛威を振るう中)娘と私は、確かにヤギの鳴き声を聞いたような気がしたのですが、まさかそんなはずはないと思っていました。

でも外へ出て庭を見たら、2匹とも生きていたんですよ。本当に圧倒されるような気持ちでした

 翌日になって、スロート一家は救助隊員の1人から、彼らがどうやって地下シェルターの位置を突き止めたのかを知ることになる。

救助隊が家の裏に回ったとき、ヤギたちがシェルターの入口をふさいでいたレンガの山の上に立っていて、「ここにいる」と教えてくれているように感じたというのです

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 ヤギたちが偶然そこにいたのか、それとも地下にいる飼い主たちの気配を感じ取っていたのかはわかっていない。

 だが結果として、2匹は救助隊を地下シェルターへ導いてくれる目印になったのだ。

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EF4レベルの強力な竜巻

 この日、イーニドを襲った竜巻の映像を見てみよう。こちらは発生場所に近い、ヴァンス空軍基地から撮影されたものだ。

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 そしてこちらはちょっと珍しい、上空を飛んでいた旅客機の乗客が撮影した映像だそうだ。

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 オクラホマ州は、アメリカ中部の竜巻多発地帯にある。春になると、スーパーセルと呼ばれる回転性の雷雲が生まれやすい。

 これは暖かく湿った空気と上空の強い風、そして発達した雷雨が重なった結果、発生するものだ。

 今回、イーニドを襲ったのも、そうした地域で発生した竜巻の1つであり、強さはEF4だったとされている。

 実はこの、竜巻の強さを表す「EF]とは、「Enhanced Fujita Scale(改良藤田スケール)」の略で、日本の気象学者・藤田哲也博士がアメリカで考案したものだ。

 現在、アメリカやカナダ、ヨーロッパなど世界各国で、標準的な尺度として広く用いられているんだそうだ。

 EF4はこの改良藤田スケールで上から2番目の強さにあたり、家屋を基礎から吹き飛ばすほどの被害を出すことがある。

 アメリカで使われているEFの区分はこんな感じ。

  • EF0:軽微な被害
  • EF1:屋根損傷、木が倒れる
  • EF2:屋根や壁が吹き飛ぶ被害が発生
  • EF3:建物の大部分が破壊され、車も吹き飛ばされる
  • EF4:住宅が基礎だけ残して吹き飛ぶ
  • EF5:鉄筋建築まで深刻に損壊する最強クラス

 こちらが上空から撮影された、今回の竜巻に襲われる前と後の街の様子をを比較した画像。ほぼすべての建物が破壊されてしまっているのがわかる。

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復旧までの道のりはまだ遠い

 今回、イーニッドでは少なくとも40棟の住宅が被害を受けたが、住民は事前に地下シェルターなどに避難していたこともあり、人的な被害は軽傷が10人ほどで、幸いにして死者は出なかったそうだ。

 スロート一家も全員無事だったが、住居の被害は壊滅的だった。建物は押し潰され、ヤギたちを飼っていた小屋も、跡形もなく消えていた。

 5月12日現在、イーニッドの街ではまだ復旧作業が行われており、これまでに1,250トン以上の瓦礫が撤去されたそうだ。

 だが、まだ倒壊した電柱や樹木、住宅の木材などが残されており、当局は住民とボランティア以外の立ち入りは控えるよう呼びかけているとのこと。

 再建にはまだ長い時間がかかりそうだが、今回の出来事によって、スロート一家はパーシーとペニーがどれほど特別な存在なのかを改めて実感したという。

この子たちがいたずらしたり、頭突きしてきたり、指を甘噛みしてきたりする日があっても、今回のことを思い出せば乗り越えられそうです。

だって、ヤギたちにまつわるこんなエピソードを持っている家族はめったにいないと思いますから

 ヤギはとても賢い動物で、長期記憶があるという研究結果もある。また、とても愛情深く、犬と同等に人間に愛着を持ち、人間の声を聞いただけで喜びや怒りの感情を読み取れるという研究結果も報告されている。

 なので、偶然そこに居合わせたのでなく、家族の近くにいようとして、彼らが埋まっている瓦礫の上にいたんだと信じたくなってしまうのは、幼い頃ヤギにミルクを分けてもらって育った私だけだろうか?

References: Two Goats Help Rescuers Find Family Trapped Beneath Tornado Debris[https://www.sunnyskyz.com/good-news/6186/Two-Goats-Help-Rescuers-Find-Family-Trapped-Beneath-Tornado-Debris]

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