ネパール南部の町で、2頭のインドサイが激しく角をぶつけ合う迫力の場面が撮影され、SNSで大きな注目を集めている。
舞台となったのは、チトワン国立公園に近い街の一角だ。
ここに生息するインドサイは、野生動物の保全活動が成功した例として知られているが、生息数が増えるに伴い、人間の住む町に姿を見せ始めたのだ。
街中で突然ケンカを始めた巨大なサイ
この動画が撮影されたソウラハは、チトワン観光の起点となる街であり、ホテルやレストランも多いが、どちらかというとのんびりムードの田舎町。
そんな街中で、突然巨体がぶつかり合うバトルが勃発したのだから、近くにいたら誰だってびっくりしてしまうだろう。
投稿された映像の中でも、スマホのカメラを向ける人がいる一方で、とばっちりで被害を受けないように、店のシャッターを下ろしている人も見える。
この動画はその場に居合わせたクリシュナ・ダスさんをはじめ、複数の撮影者によってSNSに投稿された。
クリシュナさんはこの時の様子について、次のように話している。
ネパールのソウラハの街の様子を、たまに見にやって来る年老いたサイがいるんです。
すると、縄張り争いをしている若いサイが後を追って来て。どうやら2頭は、街の路上で決着をつけることにしたようです
2頭は激しく頭部をぶつけあい、大きなうなり声を上げながら街中を走り回って闘い続ける。
途中でサイたちが、後方へ噴き出すように放尿しているのに気づいただろうか。インドサイはマーキングのために、尿を飛ばすことがあるんだそうだ。
どっちが年長でどっちが若いサイなのか、映像からではわからないが、これは相手に自分の縄張りや優位性を誇示するための行動だったのかもしれない。
野生動物の宝庫「チトワン国立公園」
インドサイは、現在主にネパール南部とインド北部に生息している草食獣だ。厚い皮膚が折り重なって見える姿から、「鎧をまとったサイ」と呼ばれることも。
圧巻なのはその大きさだ。成獣のオスの体長は3~4m、体重は大きい個体だと3トンを超えることもあるという。
つまり今回の光景は、乗用車並みの巨体を持つ動物が2頭、街角でぶつかり合っているようなものなのだ。
ネパールと聞くと、多くの人はエベレストなどヒマラヤの雪山を思い浮かべるかもしれない。
だが南部のインド国境に沿った地域はタライ平原と呼ばれ、亜熱帯の低地帯が広がっている。
チトワン国立公園はその一角にあり、1973年にネパール初の国立公園として設立され、1984年にはユネスコ世界遺産に登録された。
このエリアにはジャングルや草原、ヒマラヤの雪解け水が流れる川や湿地帯などが広がっており、野生動物の宝庫となっている。
保全活動の成功例として知られるネパールのインドサイ
ここに棲むインドサイは、保全が成功した例として世界的にも知られているが、かつて状況は深刻だった。
ネパール政府によると、インドサイは一時、密猟や開発によって激減し、1960年代にチトワン周辺に残っていた個体はわずかに100頭未満だったという。
その後政府や保全団体、地域住民による密猟対策や生息地の保護が進められ、個体数は徐々に回復。
2021年の全国調査では、ネパール国内で752頭のインドサイが確認された。
ただし、個体数回復は新たな課題も生んでいる。サイたちは時折、国立公園の境界を越えて、今回のように町や農地へ現れるようになったのだ。
迫力たっぷりのサイたちが街角で争う光景は、ネパールはもちろん、世界中に拡散されて話題になった。
- チトワンあるあるの光景だね
- ここじゃこれが日常だよ
- 毎日見られるわけじゃないって
- チトワンのサイは、縄張り争いだけじゃなくて、メスをめぐって争うこともある。公園周辺では、こうした争いが路上で起きることもよくあるよ
- メスをめぐる争いじゃないのか、これ
- たぶんメスのサイが別のオスと一緒にいたからケンカになったんじゃないかな
- 何のケンカだよ、カバディでもしてるのか?
- 「野生動物とは距離を取りましょう」と呼びかけながら、人が近づいてる動画を投稿するの受ける
- まあこの辺りは、もともとはあいつらの縄張りだからな
- 撮影者はケンカを止めに行かないのかよ
- 自分がその場にいたら、2頭とも耳引っぱって「廊下に立ってろ」って言ってやるわ
- リアル「スト2」だな
- ケン vs リュウってことか
- 実際に目の前で目撃するのは、すごい迫力だろうね
- 誰もケガとかしてないといいんだけど
- 本当に愛らしい動物だよ。世界にもうあまり残っていないんだから、守っていかないとね
- にしても、サイがケンカしながら「サイ・ホテル」に入っていくなんて。あいつら字が読めるのかな(笑)
- そこに泊っているんだろ
コメントの最後にあった「サイ・ホテル」とは、このシーンでサイたちが走り込んでいった場所のこと。
よく見ると緑色の看板に、英語で「RHINO(サイ) LODGE & HOTEL」と書いてある。
(サイたちは)ケンカしてない時は、お花をむしゃむしゃ食べたりするのが大好きなんだけどね…
クリシュナさんはチトワンのインドサイについて、最後にこのように語っている。
(保全が進み)サイの行動範囲が広がるにつれ、優位な個体に押し出された若いオスなどが、公園に隣接するサウラハの街に姿を見せることがあります。
作物や新鮮な草木の匂いに引き寄せられたサイたちは、驚くほど落ち着いた様子で通りや庭先を歩き回ります。
その光景は、チトワンでは文明と野生の境界が、単なる線ではなく、常に折り合いをつけ続けてきた関係だったことを人々に思い出させるのです
References: Video Captures Intense Battle Between One-Horned Rhinos In Nepal's Chitwan, Tourists Stunned[https://www.ndtv.com/offbeat/video-captures-intense-battle-between-one-horned-rhinos-in-nepals-chitwan-tourists-stunned-11480025]











