イギリスでエアコン室外機の写真をSNSに投稿した男性がヒーローに。その理由とは?
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 2026年5月26日、イギリスのロンドンは35℃を超える熱波に見舞われた。そんな中、エアコンの室外機を写した写真が、現地のSNSで話題を呼んでいる。

 実はエアコンの普及率が極めて低いイギリスで、「うちはエアコン設置済み!」を宣言したこの画像は、言わばこの猛暑における勝ち組の証拠。

 日本人にとっては見慣れた室外機も、「地獄の暑さ」に苦しむ現地の人たちにとっては、「ステータスシンボル」と映ったようだ。

 コメント欄には羨望と皮肉とジョークが入り乱れ、長年続いてきた「エアコン論争」が再び火を噴くことになった。

「勢いで買った」エアコンの写真がバズった結果

 下はイギリス気象庁の、この日のX(旧Twitter)への投稿である。ロンドン市内のキー・ガーデンズでなんと35.1℃を記録。これは5月としての英国最高気温だそうだ。

 前日の25日にも、同じキュー・ガーデンズで34.8°Cが記録されており、2日連続で記録が塗り替えられた形である。

 これまでイギリスでは25度を超えると猛暑扱いで、日本人からすると快適くらいの気温で暑い暑いと騒いでいた感があったのだが、さすがに今回のこの気温はマジで暑い。

 下は英国気象庁の投稿だが、イングランド全域が真っ赤になる勢いだ。

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 特に暑さ慣れしていないイギリスの人たちにとっては、この暑さは空前絶後の耐えがたいもの。

 そんな状況の中、Xに投稿されて話題を呼んだのがこちらの写真である。住宅の外壁に、ぽつんとエアコン室外機が設置されているだけなのだが…。

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 投稿したのはイギリスのXユーザー、@Lewpac22さんだ。

彼は投稿の中でこう書いている。

2022年の猛暑の時に、勢いでエアコンを買った自分にまた感謝しないと

 実はイギリスでは、2022年にも猛暑を記録している。彼はそのとき我慢できず、三菱製のエアコンを、2,000ポンド(約426,000円)で設置したのだそうだ。

 彼はエアコンを仕事場のスタジオに設置したのだが、階下全体を冷やすのに十分なパワーがあることに気づいたという。

 Xへの彼の投稿は大きな注目を集めることになったのだが、本人は「なんで俺んちの壁の写真がこんなにバズってるんだ(笑)」と戸惑っていた。

ネットでは先見の明を褒めるコメントが殺到

 しかしイギリス人ユーザーたちの多くは、今回の猛暑に先駆けて、4年前の時点でエアコンを導入した彼の先見の明を称賛した。

  • この件に関しては、あんたは英国人で唯一まともな頭を持っていたみたいだ(笑)
  • あんたはイギリスで最も有能な男だよ。国王にでもなるべきだ。当時から天才だったんだな。今のあんたは夢のような生活を送っている。勢いで買ったものが報われることもあるんだな!
  • うちは4年前から使ってるけど後悔はないよ。みんなが暑さで頭おかしくなってる中、ぐっすり眠れてる
  • 怒ってる時に買ったものって、人生最高の買い物になるか最悪の買い物になるかのどっちかだよな
  • うちも2階用に導入を考えてる。昼間はまだ我慢できるんだけど、眠れないのが本当にきつい
    • そう、それが一番つらいよね。
      寝室にも導入したいんだけど、妻と快適な睡眠温度の意見がまるで合わないんだ(本人コメ)
  • 家の前を通る人たちは、「本当に頭のいいヤツの家はあそこか」と思ってるだろうな。おめでとう。奥さんの件は残念だが、まずは一勝だ
  • まさか。本当に使えるのか。ヨーロッパ特有の断熱構造と特殊な熱力学のせいで、エアコンは効かないって聞かされてたぞ
    • 普通にちゃんと効くよ(本人コメ)
  • 今日のイングランドでは究極のステータスシンボルだな
    • ははは、新しいロレックスってわけだ(本人コメ)
  • 2022年の猛暑の時、自分も買ったんだ。確か外気温38~40°Cだった。1500ポンドの価値は十分あったよ
    • そうそう、本当にひどかった。あの部屋じゃまったく仕事にならなかったんだよね(本人コメ)
  • 素晴らしい。先を見越した行動だったし、家にもぴったりの設備だね。いい仕事をした
    • いやいや、褒めすぎだよ。暑くてイライラして、Googleで最初に出てきた業者に頼んだだけなんだ(本人コメ)
  • 電気代はどう?どれくらい増えた?
    • 気づくほどじゃなかったよ。毎年勝手に上がる光熱費と比べればね(本人コメ)
  • 1年に1週間かそこらしか使わないのに、かなり高い買い物だな
    • いや、自分はほぼ在宅勤務だし、冬は暖房としても使えるんだ(本人コメ)

エアコン普及率が低いヨーロッパの住宅事情

 なぜ、エアコンを設置したことがこんなに話題になるのだろうか。その背景には、日本とはちょっと違うイギリスのエアコン事情がある。

 実はイギリスのエアコン普及率は、たったの5%[https://britishprogress.org/reports/air-conditioning-saving-lives-and-accelerating-net-zero]。ヨーロッパ全体でもせいぜい10~20%ほどで、世界平均の37%も大きく下回る。

 そのため、この「エアコン設置してた俺様勝ち組!」な投稿は、今回の異常な暑さに苦しむ人々の共感を呼んだのだ。

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 イギリスをはじめとするヨーロッパ諸国は気候が比較的穏やかなため、住宅のほとんどは、涼しさを保つより熱を保持するように設計されているのだそうだ。

 しかし、近年の気温上昇と度重なる熱波は、気候変動への対策の一環として、冷房インフラに関する議論をも活発化させているという。

 専門家によると、極端な高温現象の頻度が増加していることで、最終的にはヨーロッパ全土の住宅の設計や設備に変化が生じる可能性もあるらしい。

 今回の熱波はイギリスだけに限らず、フランスでも5月としては異例の高温となり、大西洋沿岸のオスゴール近郊で37.1°Cを記録した。

 ヨーロッパ各国の気象機関は、今シーズンは異常な高温になると警告しており、イギリスを含む複数の国が、熱中症など健康への注意喚起を行っている。

 5月のヨーロッパは、もはや穏やかな晩春~初夏の気候を楽しめる状況ではなくなってきたのかもしれない。

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それでも「エアコンはいらない」頑固なイギリス人?

 とはいえネット上では、相変わらずエアコンに懐疑的な意見や、エアコン導入をためらうイギリス人を揶揄するコメントも見受けられる。

  • なんで1年のうち2週間しか使わないものを買うんだ? その2週間は暑いって文句を言って、残り11か月は雨だって文句を言うだけだろ
    • じゃあなんでクリスマス飾りを買うんだって話。1か月使ったら残り11か月しまっておくのに
    • なんでわざわざ毎年2週間も苦しむ方を選ぶんだよ?
      • エアコンがあっても結局文句は言うよ。今度は電気代が高いとか、部屋が寒すぎるとかね
    • そういう考え方だから、高齢者の熱関連死がたくさん出るんだよ
  • お前らのエアコンの話を聞いてると、本気でイギリスでは違法なんじゃないかと思ってた
  • ヨーロッパ人のエアコン嫌いは、インフラ整備をサボるために政府が仕掛けた心理作戦だったんじゃないか
  • ヨーロッパでは毎年17万5000人が暑さ関連で亡くなっているのに対し、アメリカは年間700~1300人だ。
    エアコンは命を救うんだよ
    • それはもっと暑い国での話だよ。イギリスでは去年、約2000人が暑さで亡くなった。それでも多いけど。正直、多くの人は数週間のためにエアコンを買って、1日に8~16時間も動かすコストを正当化できないんだ
  • 文句言ってる人は海外旅行を禁止にすべきだな。みんなその暑さを求めて大金を払うんだから
  • 私は南カリフォルニア出身だけど、このくらいじゃ猛暑とは呼ばないな。午後に少し涼しくなったくらいの気温だよ。夏は38°Cくらいになるからね
  • ヨーロッパでは、たいていの家は寒い時期に熱を逃がさないように造られている。エアコンは高価だし、12か月のうち1~2か月しか使わないから、実質ほとんど役に立たない。だから多くの人はお金をかけようとしないんだ

 この状況に関しては、長年にわたってエアコンを導入しないヨーロッパ人と、エアコンを勧めまくるアメリカ人との間のやり取りがお約束になっている。

 今回もいろんなミームがネット上に投稿されていて、仲良くケンカしている状況だ。例えばこんな感じ。

イギリス:暑すぎるよ
アメリカ:解決策があるぞ(エアコンを差し出す)
イギリス:解決策なんかいらない
イギリス:僕は「暑い」って文句を言いたいだけなんだ

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日本式のヒートポンプタイプが人気に

 こんな状況の中、ヨーロッパで注目されているエアコンの多くが、日本人には見慣れた、いわゆる「ヒートポンプ」と呼ばれるタイプだそうだ。

 日本では本体を屋内の壁に、室外機を屋外に取り付ける、セパレートタイプのヒートポンプ型エアコンが一般的である。

 だが欧州では、ボイラーで建物を丸ごと暖める暖房、つまりセントラルヒーティングが中心で、これまでは冷房を一般家庭に設置するという発想がなかった。

 しかし近年は夏の高温化に加え、省エネの観点から、夏は冷房・冬は暖房として利用できるヒートポンプ型のエアコンへの関心も高まっているそうだ。

 この辺は日本のメーカーの得意分野でもあり、ダイキンや三菱電機など、日本メーカーの製品が人気だという。

 ちなみに日本のエアコン普及率は非常に高く、内閣府の消費動向調査[https://www.esri.cao.go.jp/jp/stat/shouhi/kekkanogaiyou2025.pdf]によると、2025年3月末時点で、2人以上の世帯におけるエアコンの普及率は91.7%。

 100世帯あたりの保有数量は284.3台で、平均すると1世帯に2台以上ある計算だ。日本では、エアコンは夏を生き抜くための基本装備と言っても過言ではない。

 今年もすでに30℃を超えた地域も多く、本格的に熱中症対策が必要な季節に入っている。みんなも水分・塩分補給を忘れずに、酷暑を乗り切って生きるんだぜ。

References: UK Man Shares AC Pic Amid Record Heatwave, Internet Calls It Ultimate Status Symbol: 'You Should Be King'[https://www.ndtv.com/offbeat/uk-man-shares-ac-pic-amid-record-heatwave-internet-calls-it-ultimate-status-symbol-you-should-be-king-11562336]

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