京都府は4月28日、マダニが媒介する感染症「重症熱性血小板減少症候群(SFTS)」の患者が府内で確認されたと発表しました。

府によりますと、男性は京都市伏見区内で草刈りをした際にダニに刺されたとみられ、府南部での発生は統計開始以来2件目という稀なケースだということです。



◆4月初旬の「草刈り」で感染か、2週間後に体調悪化

京都府によりますと、今回感染が確認されたのは70代の男性です。

男性は4月7日と8日の両日、京都市伏見区内で草刈りをしていました。

そのおよそ2週間後の4月20日、男性は発熱などの体調不良を訴えたということです。

症状は発熱のほか発疹、全身の倦怠感、下痢があり、医療機関を受診したところ、SFTSと日本紅斑熱の2つの感染症に感染していることが判明したということです。

男性は現在、入院をして治療を受けていて、容体は回復に向かっているということです。

マダニによる感染症には潜伏期間があり、SFTSの場合は最大で2週間程度とされています。刺されてから症状が出るまでにタイムラグがあるため、屋外活動後の体調変化には警戒が必要です。

◆府南部では「2例目」、広がる生息域

2015年の統計開始以来、SFTSはこれまでは京丹後市や福知山市など府北部で主に確認されていましたが、府南部では去年(2025年)、宇治田原町で初めて確認されました。今回の伏見区で感染したとみられるケースは、府南部では2件目となります。

府によりますと、府内全体の報告数は例年2~3件ほど、2023年と2024年はそれぞれ1件でしたが、2025年には一気に6件にまで急増したということです。

◆重症熱性血小板減少症候群(SFTS)とは

男性が感染した「重症熱性血小板減少症候群(SFTS)」は、ウイルスを保有するマダニに刺されることで発症する感染症です。

主な症状は発熱や吐き気、嘔吐、腹痛、下痢、下血などの消化器症状で、血液中の白血球や血小板が減少するのが特徴です。


SFTSの致死率は10%から30%で、最悪の場合、死に至るおそれがあります。
※致死率の改善が期待される抗ウイルス薬ファビピラビル(アビガン錠)が2024年に承認

今回はさらに、細菌による感染症である「日本紅斑熱」にも同時感染していました。
こちらも2日から8日の潜伏期間を経て、高熱や発疹などが現れる疾患です。

◆暑さで進む「半袖化」に警鐘、草むらなどで肌の露出は禁物

これからの季節、気温の上昇とともに注意すべき点があります。

府によりますと、暑くなると半袖などの軽装で屋外活動をする人が増えますが、これがマダニの被害に遭うリスクを高めるということです。

マダニは草むらや藪、森林に潜んでいます。草刈りや農作業、ハイキングなどでこうした場所に入る際は、暑くても「肌を露出させない」ことが有効です。

京都府は、具体的な対策として、
▼草むらなどで場所で長時間地面に直接寝転んだり、座ったりしない
▼草むらなどに入るときは、長袖、長ズボン、手袋、長靴等を着用し肌の露出を減らす
▼マダニが付着した際に見つけやすいよう、白やベージュなどの薄い色の服を選ぶ
などの行動を呼びかけています。

◆「DEET」配合の虫除け剤が有効、屋外活動後は入浴を

また、府によりますと、服装による対策と併せて、市販の虫除け剤の活用も効果的で、「DEET(ディート)」などの有効成分が含まれた製品は、マダニの忌避に効果があるとされています。また、屋外活動を終えて帰宅した後は入浴し、刺されていないか確認することも重要だということです。

◆マダニ類に刺されたら…

マダニを見つけた場合、府によりますと、「無理に引き抜こうとしないこと」が重要で、無理に取ろうとするとマダニの口器が皮膚の中に残ったり、ウイルスを含んだ体液が逆流したりするおそれがあるということです。

府はこうした場合、すぐに医療機関を受診し、医師の処置を受けてほしいとしています。

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