[第100回関東大学サッカーリーグ戦1部第10節、明治大 0-2 筑波大、5月31日、東京・味の素フィールド西が丘]
筑波大は明治大に2-0で勝利し、リーグ戦2連勝を達成した。
この日、CBでフル出場したDF小川遼也(4年、カターレ富山U-18、J1ファジアーノ岡山内定)は、鋭い出だしで相手FWを潰し、チームの完封勝利に貢献した。
最後尾からゲームメイクをした頭脳派CB小川(写真 白谷遼)
小川のプレースタイルを支える論理的思考力
大学サッカー界屈指の強度を誇る明治大の圧力を、筑波大は冷静な戦略で無力化した。小川は「明治大さんはリーグの中でも一番強度や迫力があるチーム。そこを受けるのではなく、背後を有効的に使って相手のベクトルを折ることを立ち上がりから意識していた」と明かす。
狙い通りにロングボールを織り交ぜて相手の最終ラインを下げさせると、今度は中盤の選手たちの足下へ楔のパスを入れ、中央を経由して攻撃を組み立てた。
激しいプレスに対しても、チーム全体が絶妙な立ち位置と距離感でボールを保持。相手が強くアプローチしてくる分、裏を返せば必ずどこかにスペースが生まれる。その瞬間を「適切なタイミングと、適切な入り方」で突き、強敵を完全に翻弄してみせた。
一般入試を経て筑波大へ入学した小川のプレースタイルを支えるのは、高度な論理的思考力だ。「自分は身体能力が高い選手ではないですし、突発的な何かを持っているわけではない」と自己分析する。だからこそ、頭脳の使い方が生命線となる。
「理論的に考えたり、言語化する能力はすごく大事。相手がこう来たときはこういう外し方ができるというパターンを言語化することで、プレーの再現性が高くなる。
筑波大では、所属する体育専門学群での授業や、学内にいる陸上競技の専門家・教授から積極的に専門的な知見を仕入れ、日々のトレーニングの中でトライ&エラーを繰り返している。
明治大の素早いプレッシャーの中、冷静にパスを散らす小川(写真 白谷遼)
岡山への来季入団が内定している筑波大の背番号4。プロサッカー選手としての輝かしい将来を手にしながらも、小川の視線はサッカーという枠組みだけに留まらない。高校時代には医学部進学も視野に入れて猛勉強。いまも「選択肢の一つ」として医師への道を完全に手放してはいない。さらに、現在は教育実習の真っ最中であり、教師という仕事にも強い魅力を感じているという。
「ほかの人からすれば珍しいと思われるかもしれませんが、サッカー選手の選手生命は短いし、自分はサッカーだけの人生はまったく考えていない。ドイツではセカンドキャリアの資格を取らないとプロになれないという話も聞いたことがあります。自分の中で特別なことをしている意識はなくて、ただ自分がやりたいことをやりたい。サッカー選手も医者も先生も、同じ仕事としてたくさんやりたいことがある感覚です」
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「ワクワクする人生にしたい」と屈託のない笑顔を見せる小川。常識にとらわれず、自らの可能性を信じて突き進む異色のCBは、まずはプロサッカーの世界で自らの価値を証明し、その先にあるすべての夢をも掴み取っていくはずだ。
筆者:白谷遼

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