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チームを牽引したレタリック Photo/Getty Images

圧倒的なアタックで東京SGを粉砕

ラグビーリーグワンプレイオフ準決勝の第一試合が、シーズン1位のコベルコ神戸スティーラーズ(以下神戸S)とシーズン4位の東京サントリーサンゴリアス(以下東京SG)との間で5月30日に戦われ、神戸Sが69-23で圧勝し、決勝進出を果たした。神戸Sは初の決勝進出で、リーグワン初優勝に王手をかけた。


 
スピーディーな展開と圧倒的な運動量の神戸Sが赤い奔流となって縦横無尽に走り、東京SGのディフェンス網をズタズタに引き裂いてトライを量産した。ボールを持ったプレイヤーが力強く突進してラインブレイクすると、そこにタイミングよくフォローのプレイヤーが走り込んでオフロードパスを受けトライラインまで走りきる。こんなシーンが何度も繰り返された。

東京SGも前半は頑張って、拮抗した状態を作り出していたが、前半30分過ぎからは、神戸Sの企図したプレイが次から次へと成功し、一気に8本のトライを奪われて試合の趨勢が決した。終了間際、東京SGは意地の1トライを返したが、一矢報いたに過ぎず、最後は神戸Sが1トライを追加し、文字通りダメを押して試合を終わらせた。

爆勝の要因は、主将を務めたブロディ・レタリック、FWの中心として攻守に渡り大活躍だったアーディー・サベアの「オールブラックス経験組」がニュージーランドスタイルを身を以てチームに示し、浸透させたことだろう。

そのエリアからでも、どんな状況からでも常にトライを狙い、取り切るプレイスタイルの「生きた見本」である二人の姿から具体的なスキルを学び、それをシーズンの実戦の中で確実に身につけ、成長してきた。そこに植田和磨、上村樹輝、上ノ坊駿介らイキのいい若手が絡み、かつてないほどの充実したチームに仕上がった。1988年から1994年、日本選手権7連覇を果たした黄金時代、チームの大黒柱だった平尾誠二氏は「一度ボールを持ったらトライを取るまで相手にボールを渡さないラグビーが理想」と語っていたが、今シーズンの神戸Sは、この平尾氏の理想に限りなく近づいたと言って良いのではないか。

決勝の相手は、強いフィジカルを全面に押し出した、しぶといディフェンスを持ち味とするクボタスピアーズ船橋・東京ベイ。神戸Sの強力かつ流麗なアタックが強固なディフェンス陣をどのように突破するのか、今から楽しみだ。

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