北海道帯広市の帯広畜産大学内にある『碧雲蔵(へきうんぐら)』で、さまざまな形で日本酒の魅力に触れるイベント『蔵まつり』(5月16-17日)が開催され、女子マススタート金メダリストの髙木菜那さんが来場。地元・幕別町出身のメダリストは、来場者にふるまい酒を配ったほか、トークショーではお酒にまつわるエピソードを披露し、会場を盛り上げた。
※髙木菜那さんの「髙」は梯子高(はしごだか)が正式表記
北海道の味覚が一堂に会する
碧雲蔵は上川大雪酒造が創設した酒蔵で、今年で2回目となる「蔵まつり」が開催された。会場には、鑑評会で金賞に輝いた日本酒の限定販売や特別価格での提供コーナー、北海道の味覚を楽しめる飲食ブース、キッチンカーなどが並び、十勝地方を中心に多くの来場者でにぎわった。
第2回 碧雲蔵 蔵まつり概要
日時:2026年5月16日(土)~5月17日(日)
会場:帯広畜産大学 内「碧雲蔵」(北海道帯広市稲田町西2線24番地)
主催:上川大雪酒造株式会社
鏡開きに酒蔵見学 ここでしかできない貴重な体験
鏡開きを行う、髙木菜那さんと川端総杜氏、安藤杜氏、山根副杜氏
髙木菜那さん(左)と川端慎治総杜氏 へ(右)によるトークショー 。日本酒にまつわるエピソードやプライベートの話題で盛り上がりを見せた。
両日とも午前と午後に鏡開きが行われ、ふるまい酒が配られた。さらに17日には、髙木菜那さんと上川大雪酒造の 代表取締役副社長・川端慎治総杜氏によるトークショーや、酒蔵見学ツアーも実施され、来場者の皆さんが日本酒を味わうだけでなく、見たり聞いたりして魅力を楽しむ姿が印象的だった。
人気の日本酒やチーズに「素晴らしいコメント」続々と
髙木菜那さん(左)と川端慎治総杜氏 へ(右)によるトークショー 。日本酒にまつわるエピソードやプライベートの話題で盛り上がりを見せた。
鑑評会で高評価を受けた「川端スペシャル」の魅力
「お酒好き」だという髙木菜那さんは、トークショーの合間には上川大雪酒造の人気銘柄や、KAMIKAWA KITCHENのチーズを心ゆくまで堪能した。
(聞き手:川端慎治総杜氏 )
――今年、私が仕込んだ精米歩合30%で、「ふなくち」で絞って出てきたばかりのお酒を瓶詰した『川端スペシャル』です。
髙木:これは、普段なかなか飲めないお酒ですね。香りが良くて、美味しい。味も割と強めなんですけど、サッパリとした喉越しで、「日本酒」っぽくない感じもありますね。
――精米歩合30%や35%のお酒は、札幌国税局の「新酒鑑評会」というコンテストに出すことも多くあります。
ワイン酵母で造った日本酒「wine yeast」
――こちらはワインに使う酵母で作ったお酒です。お酒の味わいは、麹やお米が影響していますが、香りについては酵母の成分によって大きく変わるんです。
髙木:日本酒の香りもしますが、白ワインを飲んでいるかのような印象もあって。まるでイタリアにいるかのような感じです。
――素晴らしい表現ですね。この『wine yeast』を作るにあたっては、私たち上川大雪酒造の最高顧問でもあるフレンチのシェフ、三國清美さんにも支援していただきました。酒蔵を立ち上げた10年ほど前から、「レストランなどに並んでいても違和感のない、ワインに近い日本酒を造ろう」と思い立ち、試行錯誤を重ねながら完成したのがこのお酒です。
髙木:フレンチもそうですけど、イタリアンや、ちょっとおしゃれなレストランで、ワイングラスに入って出てきたら、「日本酒」と言われるまではわからないかもしれません。「日本酒の香りがするワインなのかな」と思ってしまいそう。
――その通りです。あくまでも日本酒なので、ワインだとちょっと生臭く感じてしまう貝類や、磯の香りがする魚介系の食べ物には合うと思いますし、非常に食事も楽しくなるのかなと。
「洗練された進化を遂げた」KAMIKAWA KITCHEN(※)の絶品チーズに感動
(※『上川チーズ』は上川大雪酒造のグループ会社であり、同社が製造するチーズを上川町のショップ『KAMIKAWA KITCHEN』などで販売している)
続いて髙木さんは、今年3月開催された世界最大級の技術コンテスト「World Championship Cheese Contest」カマンベール部門で金賞を受賞したチーズと、それに合うように造られた日本酒『「十勝」with Cheese Yellow 』の味覚を楽しんだ。
髙木:私、チーズも好きなんですよ。
――この「金賞」って、おそらくあまりピンと来てないと思いますけど、本当にすごい賞です。おまけに金賞を取ったチーズは、「キヨミ」という名前で、名付け親は三國清三さんなんですよ。
髙木:凄いですね。それこそ(選手時代に)過ごしていたオランダも、イタリアもチーズが凄く有名で、今日は美味しいチーズが食べられるとあって、本当に楽しみにしてきたんですよ。
――チーズに合わせた『「十勝」 with Cheese Yellow』というお酒と一緒に楽しんでみてください。
髙木:口の中にチーズが残ってる状態で、お酒を合わせることで互いが溶け合い、融合するような味わいです。凄く美味しいですし、旨味と旨みが合わさって、素晴らしい進化を遂げているような感覚があります。
――『「十勝」 with Cheese Green 』という種類もあります。札幌国税局新酒鑑評会で金賞も受賞していて、私たち上川大雪酒造 の看板商品にもなっています。
日本酒の販売や試飲で、イベントは大盛況
「ふなくち」という、醪(もろみ)を絞って出てきた清酒に手を加えずに、そのまま瓶に詰めたもの。このイベントでしか味わえない貴重なお酒に、参加者は深く魅了されていた。右端の「wine yeast」は、ワインの酵母を使っていることもあり、すっきり飲みやすさが特徴だ。
令和7年札幌国税局新酒鑑評会で金賞を受賞した希少酒の限定販売に加え、蔵出しの生酒やできたての生酒、お得な蔵限定酒酒の特別販売も。蔵まつり限定の日本酒飲み比べや、TAKIZAWAワイナリーによるワインの飲み比べも好評だった。
振る舞い酒を来場者に手渡す髙木菜那さん。
北海道各地からキッチンカーが集結 美食を堪能する充実のラインナップ
世界最大級のチーズコンテストで金賞を受賞したKAMIKAWA KITCHENのチーズをはじめ、十勝を中心に道内各地からキッチンカーが大集結。十勝和牛の串や網走ちゃんぽんなどの多彩なグルメに加え、クレープやソフトクリームなどのスイーツも並び、お酒を飲まない方やドライバーを含め、訪れた多くの家族連れらに好評だった。
髙木さんも味わった 網走ちゃんぽん(左)や十勝和牛の串。「網走ちゃんぽん」は北海道のご当地グルメで、網走産のシジミやホタテの出汁が生み出す、濃厚な旨味が特徴だ。長崎県雲仙市と網走市のコラボレーションにより実現した。
KAMIKAWA KITCHENのチーズ。世界最大級の技術コンテスト WCCC 2026 カマンベール部門で第1位(Best ofClass)を獲得したカマンベール・キヨミも販売された。
オリジナルグッズの販売やイベントも充実
上川大雪酒造10周年記念のTシャツやパーカーといったグッズ販売のほか、キッズコーナーやポニーとのふれあい体験も用意され、幅広い世代が楽しめる内容となっていた。
これらのおもてなしにより、来場者は日本酒や食事、スイーツまで幅広く堪能していた。家族向けの体験コーナーもあり、会場は老若男女でにぎわった。
上川大雪酒造10周年記念のオリジナルTシャツとパーカー
両日とも天候に恵まれ、大人から子どもまで楽しめる蔵まつりは大盛況だった。とりわけ17日の髙木菜那さんの来場で会場の熱気は一段と高まり、次回開催への期待も膨らむ2日間となった。
取材・執筆:井上龍也

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