2024年3月31日、環球網は、中国で新エネルギー車が急速に普及する一方で、中古車市場では新エネ車が敬遠される傾向が顕著になっていることを報じた。

記事は、北京市のある中古車販売業者がこのほど、一気に7万元(約140万円)も値崩れを起こすなど価格の変動が大きすぎることを理由に中古新エネ車の取り扱いを中止したことを明らかにしたほか、別の業者も「7万~8万元で新品の新エネ車を買えるならば、中古車の購入を考える人はいない。

そして、高級車ほど新車を購入したがる傾向が強い」と語ったことを紹介した。

また、業界関係者からは「化石燃料車の値下がりは許容範囲内で、例えば30万元(約600万円)のベンツなら7万~8万元下がればそこで歯止めがかかる。しかし新エネ車の値下げは底なしだ」との声があり、新エネ車は化石燃料車に比べて価値が落ちるリスクが非常に高くなっており、業者としても手が出しづらい状況にあると伝えている。

そして、中国自動車流通協会のデータによると、今年1月の中国国内における中古車市場取引台数168万8400台のうち、新エネ車はわずか5.3%の8万9500台にとどまったことを指摘。価格面に加えて、新エネ車に対する政策面の不安要素も業界関係者に憂慮を抱かせる要因になっているとした。

その上で、同協会新エネ分科会の章弘(ジャン・ホン)秘書長が中古新エネ車市場不振の要因について、中古車のバッテリー残量に対する評価が難しいこと、車両全体のコンディション把握が難しく、バッテリー、電気制御、電気駆動の「三電」品質保証が得られないことを挙げたと紹介したほか、紛争発生時に仲裁や問題解決の拠よりどころとなる法律法規や統一的な基準が不足していることも中古新エネ車市場の発展を阻害していると伝えた。

さらに、北方工業大学産業イノベーションセンターの張翔(ジャン・シアン)研究員が「今の新エネ車は技術の更新が急速で古いモデルはすぐに生産が止まり、値崩れを起こす。また、バッテリー技術がなおも未成熟な点も、中古新エネ車の購入に二の足を踏ませる要因の一つになっている」との見方を示したことを紹介した。(翻訳・編集/川尻)