中国メディアの第一財経は14日、中国自動車企業の新たな戦略として「海外先行販売」が広がりつつあることを報じた。

記事によると、電気自動車(EV)大手・比亜迪(BYD)傘下のハイエンドブランド「騰勢(Denza)」は今月、欧州で「騰勢Z」を発売し、その4日後に中国で予約販売を始めた。

BYDにとって「先に海外、後から国内」という販売方式は初だ。そして、これは現在、多くの中国自動車企業が海外展開に向けて策定している新たな戦略でもある。

騰勢Zは英国で開催された「グッドウッド・フェスティバル・オブ・スピード」で発表された。これにより騰勢は英国市場への本格参入を果たし、グローバル展開を加速。発売当日はセルビアから約20台の注文が入り、欧州の他の地域や中東などからも受注したという。

同様の動きは他社にも見られ、小鵬汽車(XPeng)もグローバル戦略車と位置付ける「Mona L03」を従来の「国内先行」ではなく、ドイツで発売する方針を明らかにした。

また、海外向けに販売していた車種を中国市場に投入する「輸出から国内販売へ」の動きもあり、BYDは海外向けピックアップトラック「Shark 6」を今年下半期に中国市場へ投入する計画だ。

一方、中国車を巡っては海外価格の変化も見られる。以前、多くの車種の海外価格は中国国内価格の1.5~2倍程度だったが、現在は海外価格が中国国内の3倍を上回るケースもある。「騰勢Z9GT」の欧州での価格は約100万元(約2400万円)と中国市場の3倍だが、それでも注文は半年先まで埋まっているという。

こうした価格差について、中国汽車流通協会乗用車市場信息聯席分会の崔東樹(ツイ・ドンシュー)秘書長は各国の関税に加え、越境物流費や海外の人件費、現地認証・現地化のための仕様変更に伴うコストが価格を押し上げていると分析。また、中国ブランドの価値向上も価格上昇につながっているとの見方を示した。

中国自動車業界では、海外市場が販売拡大の新たな成長源になっている。今年上半期は中国国内の販売台数が前年同期比21.1%減の992万1000台だったのに対し、海外輸出は同65.3%増の509万6000台に達した。(翻訳・編集/野谷)

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