2026年10月19日、韓国メディア・中央日報はサッカー韓国代表として活躍した金英權(キム・ヨングォン)が、中国と日本でプレーしていた期間の所得を巡り、約8億3000万ウォン(約9800万円)の追徴課税を受けることになったと報じた。

記事によると、韓国大法院(最高裁)は、キムが管轄の税務当局を相手取り、総合所得税の賦課処分の取り消しを求めた訴訟で、原告敗訴とした原審判決を確定させた。

キムは12年6月から18年12月まで中国のプロサッカーチーム、広州恒大でプレーし、19年1月から21年12月までは日本のガンバ大阪に所属していた。22年1月からは韓国Kリーグ1の蔚山HDでプレーしている。

韓国の所得税法では、韓国の居住者は海外で得た所得についても国内で申告し、納税しなければならない。キムは19年から21年に日本で得た所得について、韓国国内で総合所得税を申告・納付した。その際、日本で納めた税金に加え、18年に中国で納付したものの、控除限度額を超えたため控除できなかった6億502万ウォン(約7170万円)も控除対象として申告した。

しかし、税務当局はキムの総合所得税の計算方法に問題があるとして、控除を認めなかった。控除限度額を改めて計算し、23年6月、3年分の総合所得税として約8億3000万ウォン(約9800万円)を追加で課税した。キムはこれを不服として提訴。訴訟では、自身と家族の日本での居住期間や社会・経済活動などを考慮すれば、当該期間は韓国の非居住者に該当し、韓国国内で納税する義務はないと主張した。また、外国で納めた税金の控除限度額や計算方法を定めた所得税法施行令は、所得税法から委任された範囲を逸脱しており、租税法律主義に反すると訴えた。

一審は「課税期間に当たる19~21年、韓国国内に住所を有していたため、所得税法上の『居住者』に該当する」と判断し、税務当局の主張を認めた。さらに、二審も一審の判断を維持。

大法院も最終的にキム側の主張をすべて退け、一審・二審の判決を維持した。

大法院は、キムが当該期間に韓国国内に住所を有していたことから、所得税法上の居住者に該当すると判断した。さらに、日本で得た所得の大部分に当たる約52億ウォン(約6億1000万円)を韓国国内に送金していた。またソウルのマンションで家族と滞在し、国内で事業を営んでいたことなどを挙げ、人的・経済的な関係が韓国とより密接だったと指摘した。これらの事情から、韓日租税条約上も韓国の居住者に該当すると判断した。

これについて、韓国のネットユーザーからは「規則は分かるけど、外国で働いた税金を韓国で納めるって…なんだかおかしく感じる」「日本で支払った分の税金は控除されるとはいっても…そもそも差額分を納めなくてはいけないのが納得できない」「その期間だけでも日本へ完全に移住すればよかったのに」「恩赦やなんやで罪を犯した政治家から回収できてない罰金はいくらでもあるのに、国民には厳しいね」「国は税金を回収するのには必死だよね」「外国で仕事している人は大変だな」などの声が上がった。

一方で、「居住者か非居住者かに焦点をあてた裁判で、家族も韓国にいて、頻繁に韓国に来ていて、得た収入を韓国に送金し、韓国内で事業もやっていたようだから、まあ仕方ないかな」「海外で職業を持つ韓国人も、国内に住所があり、一定期間以上滞在した場合は国内居住者として課税される。既定の日数以上滞在していたのは?」「一見気の毒ではあるけど、よく調べて読んでみると、韓国で課税されるのも妥当かなと思う」「ここまで裁判して負けるって、そもそも韓国の税理士や弁護士に確認して税務処理を進めなかったのかな」などの声も見られた。(翻訳・編集/樋口)

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