2026年10月19日、中国メディア・観察者網は、米テスラが新型ロードスターの飛行性能を披露したことを根拠に中国の自動車産業が後れを取ったとみるのは、技術の披露と産業競争の混同だと報じた。

記事は、テスラが15日に米テキサス州で新型スポーツカー「ロードスター」の空中回転などを披露し、中国国内ではテスラを技術のリーダーとみなす声も出たと紹介した上で、量産開始が2028年で、なおかつ飛行版は公道走行の許可もないスポーツカーで産業の優劣は判断できず、ロードスターの役割は販売拡大より技術を示してブランドの魅力を保つことにあると指摘した。

また、米ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)が17日、テスラのイーロン・マスク最高経営責任者(CEO)がロードスターを同社人間が運転する最後の新型車とし、今後の軸足を自動運転とロボットに移していると語ったことを報じ、中国メーカーとの競争圧力を受けた戦略転換だと論じるとともに、一部の欧米メーカーがニッチ市場に押しやられる可能性に懸念を示したことを伝えた。

記事によると、国際エネルギー機関(IEA)の「グローバルEVアウトルック2026」では、2025年の世界の電動乗用車販売は2000万台を超えて新車販売の4分の1を占め、中国メーカーが約60%、欧州と北米のメーカーがそれぞれ約15%を占めた。中国メーカーの強みは開発サイクルの速さやコスト競争力にあるという。

記事は、独ポルシェも今月7日に「販売台数より価値」を掲げる戦略見直しを発表し、最上位車種の平均価格を中期的に約20%引き上げ、損益分岐点を年20万台未満に下げる方針を示したと紹介。既存事業が圧迫される中で新たな収益源を求める点はテスラと共通だと伝えた。

一方で、高級化や新事業は量販車中心の自動車事業が支える生産規模やサプライチェーン、雇用を代替できず、量販市場のシェアを失い続ければ事業の選択肢は狭まりかねないと指摘。高価な技術を普及させて多くの人が使えるようにすること自体が極めて難しいイノベーションだと論じた。

そして、かつてテスラが掲げた「EVを多くの人に届ける」というビジョンを、いまや中国メーカーがより大きな規模で推し進めていると結んだ。(編集・翻訳/川尻)

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