米Rolling StoneとRolling Stone日本版の初コラボレーションによるデジタルカバーが実現。カバーストーリーは米Rolling Stoneを通じて世界へ配信され、XGは世界的なミュージック・マガジンの「顔」となった。
Rolling Stone Japanでは、そのインタビューを日本語でお届けする。本記事は、6月25日発売の『Rolling Stone Japan vol.35』にも全12ページで転載され、WEB版とは別バージョンのメンバーソロカットも掲載される。

XGが語る、『THE CORE -核』、X-POP、そして境界線のない未来


大胆なアルバム、ファッションとパフォーマンスで描く自己表現、そして変わり続けることの歓び。7人組の日本人グループが語る──。

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HINATAの髪は画面越しだとグリーンに見える。あるいは、背後の窓から差し込む光の角度しだいで、少しだけ色褪せたティールにも見える。23歳のアーティストの前髪は顔まわりでやわらかくカールしていて、その色は、東京のどこにでもありそうな一室——XGがフォトシュートのセッティングを待つあいだ集まっている部屋——の壁を覆うベージュのカーテンを背景に、いっそう鮮やかに浮かび上がっている。7人のメンバーは、白いテーブルのまわりに腰かけ、今朝のビデオ通話に臨んでいる。国際的なインタビュー独特の、普段とは少しばかり変わった段取りには、もうすっかり馴染んでいる様子だ。

画面越しでも、7人のたたずまいにはどこか流れるようなものがある。近づいて見るほどに、印象はゆっくりと姿を変えていく。ステージ上のJURIN、CHISA、HINATA、HARVEY、JURIA、MAYA、COCONA——いずれも20代前半——は、非対称のヘアカット、スモーキーなアイライン、そしてカラフルな日本のストリートファッションと、宇宙時代のイットガールを思わせる洗練された未来感を行き来する大胆なスタイリングをまとい、「これまで会ったなかで、いちばんクールな人たち」と感じさせる。
けれど、7人が部屋に持ち込む空気は、意外なほど静かだ。グループの社交的な要であるCHISAと、英語を担うMAYAが会話を引き取り、そのあいだに他のメンバーが少しずつ場に溶け込んでいく。

XGのミュージックビデオは、別の惑星から届いた通信のように展開していく。そこに広がっているのは、XGが宇宙を動かし、誰もルールにそれほど興味を示さない世界の、SF神話だ。だが、その表層の下にある思想は、驚くほど人間的なものだ。グループのリーダーで、元プロスノーボーダーでもあるJURINは、いまのXGを「宇宙戦士」だと表現する。宇宙という広がりのなかで、つながりと平和を探し求めている存在なのだ、と。話を聞いているうちに、それが単なる設定やブランディングの話ではないことが、しだいに見えてくる。JURINが思い描いているのは、硬直した境界線も、固定された定義もない世界。人々が自分たちのまわりに引いてきた線が、もはやそれほど絶対的なものではなくなる世界だ。「言語であれ、国境であれ、ジェンダーであれ、人がつくり出している制約や定義って、たくさんありますよね。私たちが恣意的に引いている線も、たくさんある」とJURINは語る。
「”宇宙戦士”であるということは、その線の向こう側を見つめることなのだと思います」

それは、XGの歩みそのものが抱えてきたいくつかの矛盾を、そのまま映し出す答えでもある。厳格に構造化された育成システムのなかで鍛えられながら、その境界線には静かに抗うこと。日本人としてのアイデンティティに根を下ろしながらも、ブラック・アメリカン・ミュージックの伝統から多くを吸収していること。未来的なファンタジーに強く惹かれながらも、個性や自己定義をめぐる現代的な思想に深く根を下ろしていること。

7人の日本人メンバーは、2022年のデビュー前、10代の頃から約5年にわたって、日本と韓国を行き来しながらトレーニングを共にしてきた。その過程で磨き上げたシンクロ率とパフォーマンスの精密さは、いまやグループの国際的な魅力の核を成している。とはいえ、XGALXというプロジェクトは、そもそも最初からボーダーレスな精神のもとに構想されていた。XGのクリエイティブな表現言語は、アメリカのR&Bとヒップホップ、ビジュアルストーリーテリング、そして育成システムが磨き上げたパフォーマンスの構造的な厳密さを、どれも等しく吸収していった。

XGが進化するにつれ、メンバーたちは固定された業界カテゴリーそのものに抗うように、自分たち自身を語るようになっている。7人は自分たちの音楽を、K-POPでもJ-POPでもなく、「X-POP」と定義している。それは意図的に開かれたラベルであり、世界へ向けた野心と、単一のジャンルに閉じ込められることへの抵抗、その両方を映し出している。

音楽的に最初にXGを際立たせたのは、それぞれに明確な強みが現れていながらも、グループをラッパーとボーカリストにきれいに分けることを、頑として拒んだ点だった。
CHISA、JURIA、HINATAは、XGのなかで最もなめらかなメロディの瞬間を支える存在で、彼女たちの紡ぐ豊かなハーモニーは、R&Bの歴史に深く根を下ろしている。一方、JURIN、MAYA、HARVEY、COCONAは、複数の言語を行き来するフロウを軽やかに操りながら、同世代のアイドルグループのなかでも最もテクニカルでダイナミックなラッパーとして、早くから評判を築いてきた。

そのケミストリーを、もはや無視できないものにしたのが、2022年の「GALZ XYPHER」だった。YouTubeでバイラルとなったこのサイファーは、多くのリスナーに、XGのカリスマ的なラップラインの存在を初めて強く印象づけた。タイ・ダラー・サイン(Ty Dolla $ign)からロザリア(Rosalía)、J.I.Dまで、目まぐるしいサンプルとリファレンスのパッチワークの上で、JURIN、MAYA、HARVEY、COCONAは3つの言語を行き来しながらバースを投げ合い、自分たち一人ひとりのアイデンティティをすでに掴みきっているアーティストの自信を、すでに身にまとっていた。当時まだ16歳だったCOCONAは、そのブレイクアウト的な存在感で、ひときわ際立っていた。深くコントロールされたデリバリーがサイファーを切り裂き、年齢に似合わない静かな自信を感じさせた。

だが、XGのより大きな音楽的ビジョンを結晶化させた楽曲は、2023年の「SHOOTING STAR」と「LEFT RIGHT」だった。カラフルで、90年代後半から2000年代初頭にかけてのアメリカンR&B黄金期への深い敬意に満ちたこの2曲は、Y2Kノスタルジアと、徹底的に磨き上げられた超現代的なサウンドを融合させ、XGをポップ界で最も冒険的な存在のひとつへと押し上げた。「NEW DNA」や「AWE」といった作品では、その射程がさらに広がっていった。UKドリル、トラップ、ダンス・ポップ、ヒップホップ、そして風通しのよいボーカル中心のR&Bのあいだを自在に移ろいながら、ひとつのモードに長く留まることはなかった。

「私たちは、あらゆるタイプの音楽に対して、本当に大きなリスペクトを持っています」とCHISAは言う。
「この9年間、一緒に過ごしてくる中で、たくさんのアーティストやジャンルを互いにシェアし合ってきました。私たちはいつも、”この影響をどうやってXG自身の表現に変えていけるだろう?”と考えています。私たちのサウンドは、常に進化し続けているんです。ひとつの形に縛られたくないですから」

『THE CORE -核』、そして「Xtraordinary Genes」という新しい名前

今年1月、XGが初のフルアルバム『THE CORE -核』をリリースした頃には、グループのジャンルレスな野心はもはや理論上のものではなくなっていた。このアルバムは、メンバーたちが進化させてきた音楽的な感覚をひとつに束ねた、コンピレーションのように響く。「ROCK THE BOAT」は、アリーヤ(Aaliyah)の2001年の同名ヒットを、XGらしい滑らかで、パフォーマンスに重きを置いた視点から再解釈した楽曲だ。一方「GALA」は、脈打つビート、アヴァンギャルドなファッション、そしてスティクス(Styx)の「Mr. Roboto」の短いサンプルを通して、シカゴ・ハウスをXGの宇宙へと引き込んでいく。そのほかにも、「TAKE MY BREATH」はディスコ・ポップ的なマキシマリズムできらめき、「NO GOOD」はXGのシグネチャーのひとつとなった、じわじわと燃え続けるようなR&Bグルーヴに身を沈めていく。そしてアルバムのなかで最も奔放な瞬間こそが、「O.R.B (Obviously Reads Bro)」だ。アヴリル・ラヴィーン(Avril Lavigne)的なポップパンクを、過剰に弾けるチャント、歪んだギター、容赦ない”bro”という言葉、そして「気に入らないなら、くたばれ」と言い放つような反抗的なリフレインに乗せて、一気に駆け抜けていく。

このアルバムは、大きな変化の時期の、ちょうど真ん中で世に放たれた。2月には最新のワールドツアーがスタート。
そして、XGの〈型にはまらないこと〉への意識の高まりを示す新たな名前として、「Xtraordinary Genes」が導入された。XGはそれまで、「Xtraordinary Girls」を意味していた。また、グループ最年少のCOCONAは昨年末、トランスマスキュリンかつノンバイナリーであることを公にカミングアウトしている。Instagramの投稿で「今までの私の人生でいちばん難しかったことは、”自分自身を受け入れて認めること”でした」と明かしたCOCONAの発表は、国際的なファンから圧倒的な支持を受け、ポップの世界におけるジェンダー・アイデンティティをめぐっては稀有な、開かれた瞬間となった。

「この新しいXGの定義がどういうものになっていくのか、私たちはまだ探っている途中なんです」とJURINは言う。「そこへどうたどり着くのか。どう表現するのか。どうコミットしていくのか。そして、どれだけ真剣に向き合うのか」

新しい時代について語るとき、COCONAはそれを、もっと集合的なものとして捉えている。「もちろん、自分のカミングアウトのタイミングはありました」とCOCONAは言う。「でも、それは私一人のことではないと思っているんです。このユニットにいるみんなが、ある意味では全員エイリアンで、X-POPを表現するとはどういうことなのかを、本気で探し続けているんです」

CHISAにとって、「Xtraordinary Genes」の根底にある考えは、つまるところ自由をめぐるものだ。
「決まったものに左右されず、自分たちが感じていること、思っていることを表現していく」と彼女は言う。「環境であれ、音楽であれ、ファッションであれ、型にハマらずに自分を表現していくこと。それが私たちにとっての"extraordinary"の意味合いなのかなと思っています」

XGに、自分たちがもっとも自分らしくいられる場所はどこかと尋ねてみると、答えの細部はそれぞれに違っていても、その精神には共通したものが流れている。メンバーたちは表現というものを、パフォーマンス、スタイリング、音楽、動き、ビジュアルが、ひとつのものとして同時に立ち上がる総合的な体験として語る。7人のアイデンティティは、ひとつひとつのピースが重なり合うことで立ち上がっていく。JURINの言葉を借りるなら、それは「すべての集大成」なのだ。

この答えが、何よりもまず美学によって定義されることの多いグループから返ってくるからこそ、その重みは増す。構築的な衣装や、ヘアピース、鮮やかなメイクアップ。XGのビジュアル・アイデンティティが、否応なく目を引くものであることは確かだ。だがメンバーたちは一貫して、それらの選択を”衣装”ではなく、すでに自分たちの内側にあるものの延長として説明する。JURIAは、自分の変身はスタイリングから始まる、と説明しながら、表情をぱっと明るくする。「ヘアメイクチームにドレスアップしてもらうと、自分のスイッチがオンになるんです」と彼女は笑顔で言う。「自分が本当に好きなヘアメイクをしているときは、最高の形で自分を表現できている、ってわかるんです」

一方JURINは、メンバーそれぞれの表現に対するアプローチの違いを説明しようとして、微笑む。HINATAは、ファッションやパーソナルスタイルに惹かれている。オフステージでは、ヴィクトリア朝風の服飾やフェミニンなスタイリングに根差した、ロリータファッションを楽しんでいる。リボン、レース、フリル——そんなものを思い浮かべればいい。ソウルフルな歌声で知られるCHISAは、パフォーマンスそのものを通して、表現というものを捉えている。弾けるようなキャラクターと独特のトーンで知られるHARVEYは、「リアルなHARVEY」がもっともはっきりと姿を見せるのは、ステージの上だと言う。COCONAは、積み重ねるのではなく削ぎ落としていくことで創造性に向き合い、不在や「そこにないもの」の中に意味を探している。

絶えず変化していくシルエットは、グループのビジュアルの中心を成している。それは原宿のストリートファッション、ハイファッションのエディトリアル性、そしてレトロフューチャリズムを、等しく引き寄せていく。ある瞬間、グループは宇宙船のように誇張されたアンサンブルで姿を現したかと思えば、次の瞬間には「GALA」で、中国人デザイナーSensen LiiのブランドWindowsenの、歪んだプロポーションへと身を寄せていく。Coachella 2025のステージでは、同じくWindowsenによる、CHISA自身の顔がプリントされた彫刻のような衣装をまとった。COCONAは2024年の「WOKE UP」で、一発撮りで頭を丸刈りにし、その後、現在の非対称カットへと移っていった。CHISAも最近、長かった髪をダークなピクシーカットに変え、それによってこれまで以上に自分らしさを感じる、と語っている。その効果が鮮烈なのは、そのどれひとつとして、静止しているようには見えないからだ。XGのビジュアル世界は絶えず姿を変えていきながらも、メンバー自身から切り離されているようには、決して感じられない。

そのことは、ステージの上ではさらに肌で感じ取れる。この1年、XGはそのマキシマリスト的なビジョンを、より大きな空間へと持ち込んできた。現在進行中のワールドツアー「THE CORE」は、今年後半にアメリカへと上陸する予定で、グループをパフォーマンスの新たな段階へと押し上げつつある。より大きなステージ、より大きな歓声、そして、より自由で本能的なエネルギー。4月に幕を閉じた日本公演の映像のなかでは、メンバーたちがステージを全力で駆け回り、アドリブを投げ合い、観客の反応から力を引き出して、「O.R.B (Obviously Reads Bro)」のような楽曲を、ポップパンク的カタルシスの、混沌とした爆発へと変えていた。「個人的には、『O.R.B』が一番はっちゃけられる曲なんです」とHARVEYは言う。「自分をありのままにさらけ出せるし、すごく自由に表現できているような感覚があるから」

「ステージに立っているときが、いちばん自分らしくいられると感じます」とMAYAは言う。「XGのMAYAでいるとき、私はただのMAYAでもあるんです」。その区別は、XGを理解するうえで、ひどく重要なものに思える。

この夏、XGはフェスティバル・サーキットにも足を踏み入れる。ロサンゼルスのHead in the Clouds、そして日本のFUJI ROCK FESTIVALへと、そのエネルギーを持ち込む予定だ。「まだ私たちのことを知らない、新しいファンの方々ともっと交流できる機会になればと思っています」とJURINは言う。「私たちは本当に、突き抜けて、これまでにないことをやりたい。だから、楽しみにしていてもらえることが、これからたくさんあると思います」

「こういうフェスでしか見られないXGの側面があると思います。私たちの本当の”コア”のような部分です」とCHISAは言う。「私たちが持ち込むパワーを観客と共有できる場所では、本当にエネルギーが溢れ出していくような感覚があるんです」

JURINは、先ほどXGの大きな哲学を語るのに使った「宇宙戦士」というイメージへと、もう一度立ち返る。「ステージの上には、たくさんの自信があると思います」と彼女は言う。「私たちは自分たちのエネルギーで人々を引き込んでいって、そのエネルギーが響き合っていくんです」。そう言って、彼女は微笑む。「世界のどこかで、たった一人でも一緒に吠えてくれる人を増やしていけるなら」とJURINは続ける。「私たちはこの世界に、何か意味のあるものをもたらしているのだと思います」

XGが語る、『THE CORE -核』、X-POP、そして境界線のない未来

Photo by Maciej Kucia, Styling by Go Momose

「お互いこそが、自分たちのすべて」——7人がたどり着いた場所

XGと、そのファンダムであるALPHAZは、しばしば自分たちのことを”群れ(pack)”として表現する。狼のメタファーは、グループの楽曲の中にも、繰り返し顔を出す。それは集合としての強さであり、JURINの言葉を借りれば、「お互いこそが、自分たちのすべてだという考え」でもある。

メンバーたちは、お互いのことを家族のように語ることが多い。本人たちによれば、ツアーは、その親密さをさらに濃いものにしたという。今回は、別々のホテルの部屋に泊まるのではなく、もっとコミュニケーションを取るために、ルームメイトになることを選んだ。COCONAは、日本公演中にJURIAと同じ部屋になって学んだことを語りながら、ふっと笑う。「JURIAは本当に、お姫様の典型みたいな人なんです」と、愛情を込めて言う。「スキンケアをすごく大事にするし、メンタルケアもボディケアも、本当に真剣にやっている。そこから、たくさんインスピレーションを受けました」

向かいに座るJURIAは、少しだけ照れたように微笑む。「私たちはきっと、自分たちでも気づいていないような形で、お互いを支え合っているんだと思います」と彼女は答える。「もしかすると、これは私自身の成長の表れなのかもしれませんが、何かを与えること、そして何かを受け取ることって、とても素晴らしいことだと思うんです」

会話の多くを静かに聞いてから、ひとつひとつ言葉を選んで話すHINATAは、ツアー中に育まれていく感情的な近さについて語る。「ツアー中は、みんなで過ごす時間が、本当に長いんです」と彼女は穏やかに言う。「感情的な部分でも、表情のほんの些細なニュアンスからも、もっと深いところで互いを感じ取れるようになっていく」

その気配りは、XGというグループのありようそのものを、静かに形づくっているように見える。インタビューの間、答えはメンバーからメンバーへと、自然に手渡されていく。誰かが考えの途中で言葉を止めると、別の誰かが、半ば本能的にその先を引き継いでいく。7人の沈黙でさえ、ひとつの共同作業のように感じられる。

「個人的には、ツアーは自分自身について、より多くのことに気づく機会を与えてくれました」とCHISAは言う。「常に他者と関わり続けることで、それが鏡のような役割を果たしてくれるんです」

その考えは後になって、JURINが練習生時代から自分たちがどれほど変わってきたかを振り返る場面で、もう一度浮かび上がってくる。「練習生の頃は、みんなが同じ環境のなかにいました」と彼女は言う。「同じ時間に寝て、同じ時間に起きて、同じものを食べていた。でも今は、それぞれが、自分のアイデンティティや個性を見つけられるようになりました」。彼女は少し間を置いてから、微笑む。「その違っているアイデンティティのひとつひとつが、XGの武器になっているんです」

そのバランスをもっとも明確に言葉にしてくれるのは、HARVEYだ。「最近、”me time”、つまり自分の時間があることで、自分自身をよりはっきりと見られるようになったと感じています」と彼女は言う。「オフの日には、”XGのHARVEY”を忘れて、ただの自分、ただのHARVEYに戻ることができるんです。それは、自分をより深く理解するためのひとつの方法です。そういう時間があるからこそ、HARVEYと”XGのHARVEY”がどれだけ違うのかが、本当によくわかる……ステージに立っていると、ときには自分を見失いやすくなることもあります。多くのアーティストが、正しいバランスを見つけるのがどれほど難しいかについて話しているのを、何度も聞いてきました。自分自身を見失ってしまったり、どちらか一方に偏りすぎてしまったり。でも私は、特にここ最近、あまりそうは感じていません。なぜなら、このサポートシステムがあるからです。みんながいて、家のように、家族のように感じられる場所があって、私のことを本当に、本当に理解してくれる人たちがいるからです」

その区別は、メンバー全員にとって、重要な意味を持つものだ。MAYAは、一人で過ごす時間との付き合い方を学ぶことについて、こう語る。スポットライトから離れられる貴重な瞬間を使って、パフォーマンスの絶え間ない要求の外側にいる自分自身を、少しずつ理解していくのだ。「毎日、自分自身のことをもっと知っていっている感覚があります」と彼女は言う。「休みの日に、自分は何をするのが好きなのか。何をするのが好きじゃないのか。アーティストとして、人の目に晒される立場にいるときには、それはとても大事なことだと思います」。そこで彼女は、一呼吸置く。「私たちはみんな、エイリアンです」とMAYAは小さく笑う。「でも同時に、人間でもあるんです」

CHISAにとっては、音楽そのものが、喜びも痛みも引き受けるための手段になる。「こうした経験をさせていただけるからこそ、世の中には、人にとってポジティブで明るいものばかりではないものもあるんだと気づきました」と彼女は言う。「痛みや悲しみ、乗り越えなければいけないこともある。でも、アーティストとしての私たちは、そういう感情を受け止めて、自分たちのやり方で世界へと投影することができる。音楽に、人生も生活も助けられているんです」。その言葉は力強く響き、そもそもXGを魅力的にしているもののかなりの部分を、改めて捉え直させてくれる。大きなスケールのパフォーマンスの裏側にいるのは、自分たち自身を理解しようとし、そのすべてに、ともに意味を見出していくために音楽を使っている若いアーティストたちなのだ。

「悲しくなったり、落ち込んだりすることもあります」と彼女は続ける。「私自身も含めて、みんなそういう気持ちになる瞬間がある。そして、そういうときにこそ、音楽の力が本当に伝わってくるんです。特に、ほかのメンバーと一緒にいるときには」

私たちの会話のなかから、最終的に浮かび上がってくるのは、本物の親密さのようなものだ。練習室の内側と外側を行き来し、深夜まで時間をともに過ごし、プレイリストを共有し合いながら、10年近い時間を一緒に過ごしてきた者たちにしか築けない、そういう類のものだ。そして、それはメンバーたちが何としても失いたくないものでもある。「今の私たちが持っているものが、好きなんです」とJURINは言い、テーブルを囲むメンバーたちと、ひとりずつ目を合わせていく。「この”今あるもの”を、これからも続けていけたらいいなと思います」

とはいえ、XGが、ある場所に長く立ち止まることに興味を持っていないのは、明らかだ。7人はすでに、XGの次の進化について考え始めている。それは練習生時代からグループが持ち続けてきた本能であり、世界がさらに広がり続けている今もなお、メンバーたちを前へと駆り立てる渇きのようなものだ。

「私たちの中には、これからもずっと、とても強いハングリー精神があり続けると思います」とJURINは付け加える。「きっと、私たちが表現できる新しい感情のようなものが、これからも、また生まれてくるはずなんです」

XGが語る、『THE CORE -核』、X-POP、そして境界線のない未来

JURIN
dress/550000円/bodysuits/42900円/ともにFETICO(THE WALL SHOWROOM 050-3802-5577)
belt/96800円/DEHANCHE/necklace/13200円/MARGE/共にS&T(03-4530-3241)

XGが語る、『THE CORE -核』、X-POP、そして境界線のない未来

CHISA
jacket/308000円/small orb necklace/42900円/necklace/93500円
skirt/181500円/pieces/66000円/bracelet(bag)/72600円/bracelet(horse)52800円/pieces/66000円/Vivienne Westwood/WAG(03-5791-1500)
buster/23100円/euphoriavintage(euphoria.vintage.official.net@gmail.com)
boots/35200円/YELLO(03-6804-8415)

XGが語る、『THE CORE -核』、X-POP、そして境界線のない未来

HINATA
denimdress/94600円/FETICO/THE WALLSHOWROOM (050-3802-5577)
buster/19800円/euphoriavintage(euphoria.vintage.official.net@gmail.com)
tanktop/38500円/KANAKO SAKAI(info@kanakosakai.com)
bracelet/55000円/RYO TOMINAGA/XANADU TOKYO(03-6459-2826)
earrings/31900円/ODAKHA/S&T(03-4530-3241)
ring(Turquoise)/88870円/(Iris Blue)/112060円/どちらもBea bongiasca(customercare@beabongiasca.com)

XGが語る、『THE CORE -核』、X-POP、そして境界線のない未来

HARVEY
jacket/147400円/noir keininomiya/COMME des GARCONS(03-3486-7611)
bra/41800円/tanakadaisuke(tanakadaisuke.jp)
boxer shorts/29700円/Sporty & Rich/THE WALL SHOWROOM (050-3802-5577)
belt/63800円/KENZO/KENZO Paris Japan(03-5410-7153)
camisole/29700円/HEELAL/DOT ONE inc. (03-5770-9334)
necktie/38500円/mister it(press@misterit.jp)
acccesary/24200円/DEHANCHE/necklace/48400円/ODAKHA /共にS&T(03-4530-3241)
sweatpants/34100円/denimtears/riccovita(03-6418-2441)
ring(Ivory)/96600円/(Black)/92720円/どちらもBea bongiasca(customercare@beabongiasca.com)
boots/59400円/POOLDE(http://poolde.jp)

XGが語る、『THE CORE -核』、X-POP、そして境界線のない未来

JURIA
dress/414700円/boxer/127600円/boots/361900円/Ann Demeulemeester/M(03-6721-0406)
belt/37400円/mukcyen/sakasPR(03-6447-2762)

XGが語る、『THE CORE -核』、X-POP、そして境界線のない未来

MAYA
tops,bodysuits,furtrousers,boots/参考商品/leather bangle/24200円/double buckle bangle/24200円/narrow double bangle/19800円/metal bangle/220000円/metalbangle/61600円/pieces/17600円/headband/28600円/looptie/23100円/以上全てTOGA(TOGA ARCHIVESLTD 03-5962-7875)

XGが語る、『THE CORE -核』、X-POP、そして境界線のない未来

COCONA
shirts/49500円/KEISUKEYOSHIDA/KEISUKEYOSHIDA CO.,Ltd.(03-5775-7941)
trousers/119900円/WE11DONE/SakasPR(03-6447-2762)
sneakers/44000円/MIKIOSAKABE( https://mikiosakabejennyfax.store/)
bracelet/42900円/pierces/19800円/necklace/66000円/cobble du(info.cobbledu@gmail.com)

XG WORLD TOUR: THE CORE 北米公演日程
11月3日(火)カリフォルニア州オークランド/Oakland Arena
11月5日(木)カリフォルニア州ロサンゼルス/Crypto.com Arena
11月9日(月)イリノイ州シカゴ/United Center
11月12日(木)オンタリオ州ハミルトン/TD Coliseum
11月14日(土)ニュージャージー州ニューアーク/Prudential Center
11月17日(火)テキサス州ダラス/American Airlines Center
11月22日(日)メキシコシティ/Arena Ciudad de México

Photographs by Maciej Kucia
Styling by Go Momose
Executive Music Editor Christian Hoard
Director of Social & Video Waiss Aramesh

Rolling Stone Japan
Editors in Chief Takuro Ueno
Chief Producer Kanako Mori

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