機体番号が「2016」と表示された写真がインターネットで広まった。施設内で滑走試験をしている光景で、「新たな機体」とみなされている。
機体全体のデザインは過去に“確認”されたJ-20と基本的に同じだが、「ダイバータレス超音速インレット(DSI)」部分のふくらみの形状が変更された。
DSIとは、エアインテーク(空気吸入口)の形状のひとつ。古いタイプのジェット戦闘機などでは、機体前部にエアインテークを設けることが多かったが、その後は、機体側部や下部に設けることが一般的になった。その場合、機体壁近くでエアインテークに流れ込んでくる空気は「機体との“摩擦”で前方から飛び込んでくる勢い」がそがれてしまい、結果としてエンジンの効率が落ちる。
そのため、エアインテークは機体壁からある程度は離して取り付けられたが、その場合には機体全体の空気抵抗が増すという問題が発生する。DSIでは、取り込み口前方の機体壁を曲線的に膨らませて、空気の流れを調整する方式だ。曲線的な形状によるステルス性の向上も期待できる場合があるという。
J-20の「2016号機」におけるDSI部分の形状変更については、「機体のふくらみの内側に、ある種の探知装置を搭載した」との見方も出ている。また、機種部分の塗装や右側のウェポンベイ(武器搭載庫)の形状にも、若干の変化があるという。
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◆解説◆
J-20についてはこれまで機体番号により、8機の検証機/試作機が作られたとされる。
開発中の兵器類について、中国でしばしば発生する現象だが、軍側が故意にリークしている可能性が高い。J-20では、「2004号機は2002号機を改造したもの」と、内部関係者でなければ確認不能な情報も「確実」とされている。
軍事施設または軍需工場内で撮影したとしか思えない写真も多い。J-20の2016号機の滑走試験も、施設内の撮影と思われる。中国軍部は秘密主義の傾向が極めて強く、軍以外がいったん公開した情報が削除される場合があるが、開発中の兵器類について出回る写真については、掲載されつづけることが一般的だ。(編集担当:如月隼人)(写真は新浪網の上記記事掲載頁キャプチャー)
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