中国は春節(旧正月)を中心とした大型連休の真っ最中だ。連休は7日の日曜日から13日の土曜日まで続く。
せっかくの長期休暇、海外へ旅行に出る人も少なくない。日本ではそんな観光客らを歓迎ムードで受け入れている。中国メディア・新財富雑誌のウェイボー公式アカウントは9日、中国人観光客の受け入れに対して日経中文網が過去に掲載した記事を「日本はなぜ中国人観光客を歓迎するのか?」との見出しで要約し紹介した。

 新財富雑誌が紹介した日経中文網の記事とは、2015年5月21日に掲載された「日本はなぜ大陸客への抵抗運動がないのか」との見出しの記事だ。同記事は、中国大陸からの旅行客受け入れついて、「香港では大陸からの観光客を『イナゴ』と呼び、受け入れに反対運動が起きた」と紹介する一方で、「日本では、2010年9月29日に発生した釣魚島(日本名:尖閣諸島)海域での衝突事件直後に日本の右翼団体が起こした事件以外、中国人観光客が排斥された話を聞かない」と冒頭で述べている。本文では「お客様は神様」、「おもてなしの心」など、接客するときの「日本人の精神」などを紹介している。

 同記事を紹介した投稿にはコメントが集まった。最もいいねを集めたコメントの一つには、「自由旅行が始まって2年もすれば香港もこうなる」と旅行客が香港に集中する状況が変われば、受け入れ側の態度も変わるだろうと主張するコメントだ。そのほか「日本人はバカじゃないからな」といったコメントもいいねを集めた。

 なかには「日本が観光客を歓迎するのは旅客がもたらす利益を『歓迎する者』が享受でき、日常生活に影響を与えないからだ。香港では大量の旅客がもたらす利益がいくつかの商店や、店主、不動産の転売屋などに集中し、一般人は享受できないばかりか不便さばかりもたらされる」とのコメントもあった。観光客を受け入れることにはメリットだけがあるわけではない。
日本には観光業の「下地」があり、一般的に「おもてなしの心」が普及しているからこそ解決できた問題ともいえよう。

 昨年に続いて今年も日本で注目を集める中国人客の訪日観光、「爆買い」以外にも興味を示す中国人観光客が増えてきたとの報道もある。これまで以上に様々な観光地で遭遇する機会が増えるであろう。もたらす利益と不利益が偏らないように注意が必要だ。(編集担当:大平祥雲)(イメージ写真提供:123RF) 


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