◆日本生命セ・パ交流戦 2025 西武4―1阪神(12日・ベルーナドーム)

 ドームの一塁側半分を埋めた猛虎党の大声援を一瞬で静めた。3点リードの8回1死満塁。

この回から登板した西武・山田が捕手・古賀のサインにうなずくと、一塁へけん制球。一塁走者・佐藤輝の後方で守っていた一塁手・ネビンがベースへ入って走者を刺した。キャンプから練習してきたサインプレーを、ここぞの場面で成功させた。「毎日コツコツやっているので、しっかり出ました」と胸を張った山田。西口監督も「いいところで使ってよくアウトにしてくれた」とベタほめ。このビッグプレーが交流戦初の阪神戦3連勝を決定づけた。

 小粒な獅子打線がつないで猛虎を倒した。同点の2回1死三塁。長谷川がデュプランティエの138キロのスライダーをとらえ、左前へ勝ち越しの適時打を放った。炭谷のバットを参考にこの日から86センチ、880グラムの魚雷バットを使用。短く持ってスイングした。「コンパクトに振れるので安心感がある。

いい形で安打が打てます」と表情を緩めた。4回にも平沼、西川の適時打で2点を加えた。この日の7安打中、6本が単打。交流戦は12球団で唯一、本塁打が出ていない。総本塁打数24は阪神・佐藤輝の18本、森下の11本よりも少ないが、しっかりつないで好機を生かしている。そのリードを強力投手陣がつないで試合を締めくくる。

 交流戦3カードを終えて5勝4敗。折り返し点で早くも最下位に沈んだ昨年の4勝を超えた。「本当に大事な3連戦になると思っていたので、ここで三つ取れたことは本当に大きいと思います」と西口監督。貯金も5に増やし、首位の日本ハムを2・5ゲーム差でぴたりと追いかける。猛虎との“ネコ科対決”を制した獅子が、一気に疾走する。

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