◆第107回全国高校野球沖縄大会1回戦 糸満3―2日本ウェルネス(15日・沖縄セルラースタジアム那覇)

 火の玉のようなストレートがうなりを上げた。1点をリードした9回。

糸満の最後のマウンドを託されたのは、渡慶次貴帆(とけし・たかほ、2年)だった。「地に足がつかないくらい緊張していましたけど、後ろを見たいつものメンバーと一緒にやっているんだなと」。最速143キロの速球を武器に先頭打者を空振りの三振に仕留め、2死から四球の走者を出すが、最後は好打者のワォーターズ真佳を速球で空振りの三振に仕留めた。「先輩たちの思いも背負って投げたいなたと。そこでいい投球ができたと思います」と表情をほころばせた。

 身長175センチ、70キロと細身の体。中学3年の時に投手を志して高校入学後、本格的に指導を受けるようになった。変化球はカーブの1種類だけだが、キレのある速球には魅力がある。目標とするのは阪神・藤川監督が現役時代に投げていた“火の玉ストレート”。「理想はストレートがくるとわかっていても空振りを取れて、打てないボール。試合の流れを変える場面をつくりたい」と理想を掲げる。2011年以来14年ぶり2度目の出場へ、頼りになるストッパーが現れた。

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