◆日本生命セ・パ交流戦 2025 オリックス4―2DeNA(12日・京セラドーム大阪)

 聞き、動かし、勝った。オリックス・岸田護監督(44)はベンチワークに感謝した。

「打撃コーチの意見で、ほぼいきました。勝てる対策を組んでくれましたね」。交流戦通算4戦4勝だったバウアーに初めて土をつけ、2カードぶりの勝ち越しに成功。大胆な打線の組み替えが奏功した。

 昨季までDeNAに在籍した嶋村1軍打撃コーチらが、相手右腕の被打率に着目。試合前の時点で対右打者が2割5分8厘だった。左打者には2割1分3厘。5月5日に森が右脇腹痛から復帰して以降は初めて森と西川を同時に先発から外し、来田を除く右8人で挑んだ。初回の杉本や頓宮ら、打点はすべて右打者がマーク。勝ち越し点は広岡が運んだ。

 4回2死一、三塁で外角低めの直球を中前打。「好調かどうかは分からないですけど一打席一打席、必死に食らいついてやっています」と汗をぬぐった。

6日の阪神戦(甲子園)では二塁へのスライディングで相手と交錯。脇腹を負傷し、警告も与えられた。最近5試合は21打数4安打。この日のプレーでも脇腹を痛めたもようで状態は心配だが、一大事にこそ問われるのがチーム全体の力だ。

 結果として森、西川の二枚看板を休養させることができた。13日の巨人戦(京セラD)で太田も合流する。岸田監督は「変わらず頑張っていきます」と強調した。リーグ3連覇した中嶋前監督時代から根付くのが「全員で勝つ」戦い方。再反攻の芽はできた。(長田 亨)

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