◆日本生命セ・パ交流戦 2025 オリックス7―3巨人(13日・京セラドーム大阪)

 オリックスのドラフト2位・寺西成騎投手(22)がパの新人最速でプロ初勝利をつかんだ。「気持ちいいです。

すごくホッとしています」。先制点を与えた初回から、3イニング連続で得点圏のピンチ。最少の1失点で5回まで耐え、観戦した母・智江さんに贈る記念球を受け取った。

 小中高の大先輩が松井秀喜さん。小学生の頃に一度だけ、対面する機会があった。「努力の天才というか、雲の上の存在。本当に大きかったです」。読書は苦手だが、大阪・舞洲の寮には、レジェンドの著書「不動心」を置いている。

 初登板だった5月15日の日本ハム戦(エスコン)では3回無失点で降板。「僕は球のキレで勝負しないと」と、山崎(巨人)や村上(阪神)の投球動画を教材にした。最近、覚えたのがツーシーム。育成の陳がエスピノーザに教わったことを知り、台湾出身右腕から握りや投げ方を“又もらい”した。

今までになかった、シュート軌道の新球。投球の幅も広げていた。

 昨年の交流戦で輝いた斎藤、佐藤に続き、巨人相手にプロ初白星の3連チャン。球団としても巨人戦4連勝は初めてだ。エースの宮城には「緊張はするものだからね」と優しく背中を押され、曽谷からは「ファームで無双しないといけない」と強い考えを学んだ22歳。14、15日に先発する両左腕にも追い風を送り、「またアピールして2勝目をつかめるように」と前を向いた。チームも交流戦で5勝5敗とし、リーグ順位は2位に再浮上。前途有望なルーキーが羽を広げた。(長田 亨)

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