◆日本生命セ・パ交流戦 2025 オリックス2×―1巨人=延長11回=(14日・京セラドーム大阪)
次元の違いを肌で感じた。日本を代表する左腕を相手に、三塚琉生外野手(21)は打球を前に飛ばせなかった。
自分の流儀を貫いた。3回無死一塁で迎えたプロ初打席では、初球からフルスイングした。ファウルになったが、「積極的にストライクゾーンに来た球は打っていこうと思っていたので、ああいった形でスイングできたのはよかったです」とプラスに捉えた。結果は外角のスライダーに手が出て空振り三振。5回の第2打席では2ストライクから外角の149キロ直球に手が出ず、見逃し三振に倒れた。ホロ苦デビューとなったが、宮城と対戦した3打席は全て初球からスイングを仕掛け、一振りで試合の流れを変えるという意味のモットー「豪打一振」を体現した。
22年育成ドラフト6位でプロ入り。礎は父・順平さん(50)と作り上げた。家の一部屋を改造し、雨天時もネットを置いて打撃練習ができる環境を整え、2人で練習した。
10回には剛球右腕のペルドモから鋭い当たりの右飛を放ち、大器の片りんを見せた。初安打はお預けとなったが、阿部監督は「いい経験になったと思うし、いい当たりが1本出たのでこれから楽しみですよ」と期待を寄せた。
球界を代表するサウスポーとの対戦は今後の指針になる。「自分の苦手なところを徹底的に練習して、同じ結果にならないように」。15日の父の日。「本当にこれからなので、しっかり結果で恩返しできるように」と父への感謝も口にした。最高の経験を、必ず血肉にする。(臼井 恭香)
◆三塚 琉生(みつか・るい)2004年5月10日、千葉・柏市生まれ。
◆「打つ」より「見る」意識を…掛布雅之氏のPoint
三塚はまだ課題も多いが、パワフルで将来性のある打者だ。パ・リーグを代表する左腕の宮城を相手のデビュー戦は酷だったが、3打席連続三振を貴重な財産としてほしい。
1軍で活躍するためには、打つべき球を打つ見極めが大切。ボール球を振っていては一流になれない。この試合では「見る」より「打つ」意識が先にきて、上体の力みが目立つ打撃だった。内からバットが出るような、下半身主導のスイングを身につけたい。