◆第107回全国高校野球沖縄大会1回戦 沖縄工12―2宮古=5回コールド(15日・沖縄セルラースタジアム那覇)

 早起きはするものだ。試合開始3時間前の午前6時。

沖縄工ナインは那覇市内の同校に集合していた。打者は40分近くスイング、投手はコンディショニングなどに努めた。比嘉大希主将(3年)は「試合前に練習することで体にキレが出るんです」と説明。一汗流して、バスで球場へ移動した。

 初回に2点を先制されたが、朝練習で体を目覚めさせているからあわてることはない。2回、5安打を集めて5点を奪って逆転すると3回に1点、4回にも5点を挙げた。15安打を放っての5回コールド勝ち。比嘉主将は「朝の練習の成果が出たと思います」と誇った。

 普段の練習時間は放課後の約2時間しかないが、限られた時間の中で各人が工夫。2失点で2安打1打点を挙げたエースの知念恭平(3年)は春の大会で2死から崩れ、四球が目立ったことを課題にして両コースに投げ分ける練習に取り組んだ。オフもトレーナーと練習し「時間を有効活用しています」。その成果を初戦で発揮した。

 ほとんどの選手が国家資格取得を目指す。知念は2級建築施工管理技士、比嘉は第二種電気工事士の資格を取得済み。練習後も資格取得のための講習を受ける選手が多いという。「少ない時間でも1人1人が意識して課題を克服できるようにみんなで頑張っています」と比嘉は言葉を強めた。

 春の県大会は準々決勝で興南に0―3で敗れた。大会で試合直前の練習を始めたのも、その時の反省を生かすためだ。「まず私立という名前で負けることなく、自分たちのプレーをしたら絶対負けることはない。きょうみたいな試合をやっていきたいと思います」と比嘉。2回戦ももちろん、試合前にバットを振り込むつもりでいる。

編集部おすすめ