第107回全国高校野球選手権大会(8月5日開幕・甲子園)の出場切符を懸けた南北海道大会が10日、札幌円山球場で開幕する。9日に公式練習が行われ、出場全16チームが調整した。
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古豪復活へ、函館大有斗の大黒柱が南大会でもフル回転する。昨夏以来となる札幌円山球場のマウンドで投球練習し、感触を確かめた長谷川は「2年連続で2回戦(8強)で負けて、エスコンに行けていない。今年こそは壁を越えてエスコンに行く」と腕をまくった。
昨秋から2季連続地区予選敗退に終わり、ノーシードで迎えた夏。今春敗れた函館工にリベンジ(5〇3)するなど、3試合23イニングを1人で投げ抜いた。ボール先行の場面が目立ち、満足のいく投球内容ではなかったものの、「良くなくても抑えられる。悪くても我慢強く投げられるようになったかな」と、片口伸之監督(45)は成長を認める。
2年夏から背番号1を背負い、同秋には自己最速146キロを計測した。今年のオフは坂道ダッシュなど瞬発系のトレーニングを多く取り入れ、130キロ台後半だったアベレージは140キロ台までアップ。最速こそ変わらないが、新球種のツーシームを習得して投球の幅を広げ、昨夏とは違う姿で円山に帰ってきた。
春夏合わせて13度の甲子園出場を誇るが、1997年夏を最後に聖地からは遠ざかる。レギュラー6人が1、2年生の若いチームを引っ張る右腕は「自分のやれることだけを意識して、一つずつ勝つ。理想は全試合1人で投げ抜きたい」。頂点まであと4勝。函館出身の「ゆいと」が、地元の名門「有斗」を甲子園に導く。
(島山 知房)
〇…函館大谷は1975年以来50年ぶりの勝利を目指す。3季通じても2012年秋以来となる道大会の舞台。シートノック中心の公式練習を終え、後藤永匡監督(48)は「たった20分でしたけど、全然やりたいことができなかった。試合まで時間があるので、整えて初戦を迎えたい」と気を引き締めた。初戦は地区3戦39得点の北照戦。強打の相手との試合を前に、「ピッチャー3人、総力を結集して勝ちゲームをつくりたい」と力を込めた。
◆南北海道大会展望 実力が拮抗(きっこう)しており、混戦ムードが漂う。