◆第107回全国高校野球選手権栃木大会 ▽準々決勝 国学院栃木2―1文星芸大付(23日・エイジェックスタジアム)

 昨夏準Vの国学院栃木が文星芸大付との接戦に勝利し、4年連続ベスト4へ進出した。

 先発の・辺見斗磨(2年)はテンポ良くストライクゾーンに投げ込み、凡打の山を築いた。

最終回に1点失ったものの、最後まで投げきり9回3安打1失点。自己評価は「90点」と最後の失点を悔やんだが、まさにエースの投球を披露した。

 打線は2回。1死二、三塁のチャンスで大森選捕手(せん、1年)が打席に立った。「とにかくフルスイングしよう」。迷いなく振り抜いた打球は投手の横を抜け、中堅への2点適時打に。その後、両チームによる投手戦が繰り広げられ、この2点が決勝点となった。

 決勝打を放った大森は埼玉・川口市の出身。2022年に出場した夏の甲子園で智弁和歌山に勝利した試合を見て、同校への入学を決意した。「選手が楽しそうに野球をしていて、自ら動くこのチームなら、成長できると思った」。今夏は1年生ながらベンチ入りを果たすと、3回戦からはスタメンに抜てき。最初は声援の大きさに足が震えたが、今では応援を力に変え、プレーでその期待に応えた。

 チームを率いる三浦純監督は「入学にあたって、1番覚悟が強かった。物おじしないメンタリティーを持っている」と精神面での強さも抜てきの要因にあげた。

 25日、作新学院との準決勝に臨む。大森は「1球にかけてプレーしたい。1年生らしく、自分に出来ることを最大限にやりたい」と拳を握る。甲子園での姿に憧れて入学したルーキーが、チームを再び夏の聖地に導く。(高澤 孝介)

編集部おすすめ