◆第107回全国高校野球選手権栃木大会 ▽準決勝 青藍泰斗6―0宇都宮工(25日・エイジェックスタジアム)

 青藍泰斗が6―0で宇都宮工に勝利し、決勝進出。「2番・遊撃手」で出場した、佐川秀真(3年)が攻守にわたって存在感を示した。

 3点リードで迎えた5回。先頭の佐川が内野安打で出塁すると、打線がつながり2点を追加。佐川は7回にも先頭で二塁打を放ち、その後生還するなど、この日3安打3得点。守備では7回2死二、三塁で投手がはじいた打球を素早くバックアップし一塁送球。流れるようなプレーで得点を許さなかった。佐川の好プレーもあり、2人の投手リレーで相手打線を5安打完封。今春の県大会準々決勝で敗れた宇都宮工にリベンジを果たした。 チームの主将も務める佐川は「決勝も圧倒できる実力はあると思うので、次の試合に向けて調整していきたい」と決戦の日を見据えた。

 2005年に青藍泰斗に校名変更。前身の葛生高校時代に1度甲子園出場経験がある。しかし、聖地での初戦で9回二死から3点差をひっくり返され逆転負け。当時を知る山本秀幸部長は「気を緩めたとかはなかったが、イレギュラーが出たり、止めたバットがヒットになったり、不運なことが重なった」と振り返った。

 そんな山本部長は今のチームの強みに戦力層をあげた。「当時は控えの選手がほとんど出なかった。今はチームスローガンの通り『ワンチーム』で戦っている」と選手一人ひとりに大きな期待を寄せる。

 同校は昨秋からユニホームを一新した。スクールカラーの濃いブルーを基調に白のラインが入ったものに変更。右袖には「葛生」の文字も入れた。チームを率いる青山尚緯監督は「地元で応援してくれている方々や葛生高校時代のOBに対して、一緒に戦って欲しいという思いも込めた」。

 90年の初優勝後、6度決勝進出も全試合で敗戦。指揮官は「あと1歩と言われ続けてここまで来た。それを払拭(ふっしょく)して新しい歴史を作りたい」と意気込む。「葛生」の思いを背負った青藍泰斗が新たな歴史を作るべく、最終決戦に挑む。(高澤 孝介)

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