◆米大リーグ カージナルス―パドレス(24日、米ミズーリ州セントルイス=ブッシュスタジアム)

 パドレス・ダルビッシュ有投手(38)が24日(日本時間25日)、日米通算では日本人選手最多となる204勝目をかけて敵地・カージナルス戦に先発したが、今季最短の3回1/3でKOされ、偉業は次回以降に持ち越しとなった。今季ワーストの8安打8失点。

球数69球で、防御率は9・18に悪化した。

 8失点は9失点を喫した22年4月12日(同13日)の敵地・ジャイアンツ戦以来3年ぶり。3ランを2発を浴びたのは初の屈辱だった。

 過去4試合で0勝2敗のブッシュスタジアムでは今季初登板。中4日の右腕は2点の援護をもらった初回。1番・ドノバンに右前打を許すと、2死一塁から4番・コントレラスに左翼線へ適時二塁打を浴び、1点を返された。1点リードの2回。1死からウォーカーに左前打、2死からスコットに四球を与え、一、二塁のピンチを背負うと、ドノバンに右翼席へ逆転3ランを献上。なおも連打で2死二、三塁とされ、コントレラスに左中間席へ3ランを被弾した。この回3ラン2本で一挙6失点。初回からの2イニング連続失点で逆転された。

 2回までに44球を要し、今季ワーストの7失点。

3回は3者凡退と立ち直りの気配を見せたが、4回は先頭の9番・スコットの四球と二盗などで1死三塁と再びピンチを招き、2番・ヘレラの中前適時打で8点目を失った。なおも1死二塁で降板したが、2番手・松井裕樹投手(29)がさらなる失点は食い止めた。ダルビッシュは最速95・2マイル(約153・2キロ)を計測し、初回にカーブ、3回にスイーパー、カーブで3奪三振を記録したが、三振を取ってもマウンド上で首をかしげるようなしぐさもあった。

 それでも、ナ・リーグ西地区で首位のドジャースを追う2位のパドレスは打線が5点を追う3回に1番・タティスの17号ソロ、3番・マチャドに19号2ランが飛び出し、好投手・グレイを攻め立てた。4回も相手のミス絡みで2得点して1点差に迫るなど打線が序盤から活発だっただけに、背番号11の乱調が悔やまれる。

 今季のダルビッシュは右肘炎症などのため開幕前から負傷者リスト(IL)入りしていたが、今月7日(同8日)の本拠地・Dバックス戦でメジャー復帰。4回途中3安打2失点で1敗目を喫したが、ファンの大歓声に迎えられた。

 野茂英雄(ドジャースなど)の12年を超えて日本人投手最長となる実働13年目のシーズン。後半戦初登板となった19日(同20日)の敵地・ナショナルズ戦では5回5安打3失点で2敗目を喫した。それでも「今日はダメでしたね、自分の中では。あんまりパワーを感じられなかった」と言いながら、今季3試合目で初めて5回を投げ切るなど、少しずつ完全復活に近づいていたが、この日は序盤から打ち込まれた。

 8月には39歳の誕生日を迎えるダルビッシュ。

復帰4試合目のこの日、今季初勝利を挙げれば日本ハム時代の93勝とメジャー通算111勝で日米通算204勝に到達。黒田博樹(広島で124勝+MLB79勝=203勝)を抜いて日米通算では歴代最多の勝利数となっていたが、赤い敵地で苦しいマウンドとなった。

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