◆第107回全国高校野球選手権石川大会 ▽準決勝 金沢3x―2星稜=延長10回タイブレーク=(25日・石川県立)

 伝統の一戦は、金沢が延長10回タイブレークの末、3―2で星稜にサヨナラ勝ちし、4年ぶりの決勝進出を決めた。投手、打者と二刀流の5番・能美力丸一塁手(のみ・りきまる、3年)が、5回に高校初本塁打で先制すれば、8回からリリーフで2回1/3を2安打、2失点(自責1)と力投。

2―2の延長10回2死満塁の3ボール、1ストライクからは四球を選んでサヨナラ勝ちを呼び込んだ。能美は「『指示は打て』だったが、ボールが見えていた。プレッシャーはなかったです」とケロリとした表情。勝利が決まると、ベンチから全員が飛び出して喜びを大爆発させた。

 名前の「力丸」は、誰でも呼びやすく、成長して力を付け、みんなに愛されて欲しいと両親が命名。打席に入ると「リキマルコール」が響き渡り、5回のホームランではゆっくりとダイヤモンドを一周し、ベンチを盛り上げた。試合後は卒業生にも名前で呼ばれて一緒に記念撮影するなど、グラウンド内外で笑顔を振りまいた。「両親が付けてくれた名前は力強く、縁起もいいので好きです。決勝では全打席ヒットでチームに貢献したい」と能美。14年ぶりの夏甲子園を引き寄せ、全国へ名前をとどろかせる。(中田 康博)

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