◆紫苑S追い切り(3日、栗東トレセン)
4重賞の追い切りが3日、各地で行われた。秋華賞トライアルの第10回紫苑S・G2(7日、中山=3着まで優先出走権)は、リンクスティップが栗東・坂路で骨折明けを感じさせない走りを披露した。
力みのない走りが、状態の良さを物語った。開門直後の栗東・坂路に姿を見せたリンクスティップは単走で終始、リラックスした動き。ラチ沿いをスムーズに脚を伸ばし、ラスト1ハロンは12秒2。全体は55秒1とソフトな調整で、騎乗した新田助手は「予定通り。オークスのときと比べて、パワフルさが増した感じがします。骨折は軽度だったので問題ありません」と説明。オークス(5着)の後に左前脚の第1指骨剥離骨折が判明したが完治。万全の状態で秋初戦に挑めると強調した。
今週を軽めで済ませたのは、1週前追い切りで十分に負荷をかけたから。8月27日にCWコースで6ハロン81秒0―11秒0。リッケンバッカー(7歳3勝クラス)を6馬身追走し、直線で鋭く伸びて2馬身の先着。初コンタクトだった北村友は「走る馬だなという感触で本当によく動きますね。
オークスで472キロだった馬体は10キロ以上も増量。背丈も伸びてスケールアップした。新田助手は「成長分です。たくましさが出て、見た感じも乗った感じも違います。暑いなかでも、バテている感じはありません。戦ってきた相手を考えると、負けられないところです」と気合が入る。
桜花賞は最後方から伸びて3着。オークスでも最後まで力強く脚を使い、クラシック2戦で健闘した。重賞初タイトルを勝ち取り、堂々と秋の大舞台へ進むための準備はできた。(内尾 篤嗣)