パ・リーグ ソフトバンク11―0楽天(5日・みずほペイペイドーム)

パ・リーグ連覇を狙うソフトバンクに、優勝マジック「18」が初点灯した。初回に牧原大成内野手(32)が、2試合連続となる先制の5号3ラン。

今季最多の18安打、11得点の猛攻で4連勝を飾った。2位の日本ハムがオリックスに敗れ、ゲーム差は3に開いた。

 ライバルの日本ハムが大阪で劣勢の試合中盤を戦っている頃、ソフトバンク・小久保監督が涼しい顔で球場を後にした。「初回がすべて。バントか迷ったんですけど、サインを出さなくて良かった」。今季最多となる18安打、11得点で左うちわの4連勝。優勝マジック「18」が初点灯した。号砲は牧原大で、初回に2戦連続の先制5号3ラン。豪快に右翼席へぶち込んだ。

 正遊撃手の今宮が左ふくらはぎ痛で登録抹消。しかし今は、アクシデントでさえチーム内競争を激化させるプラス要素になる。緊急昇格した石塚が即スタメンで3安打。

ともに育成出身で、お立ち台でそろい踏みした牧原大の言葉が象徴している。「このチームで試合に出られるだけで感謝」―。12球団屈指の選手層で、開幕から故障者続出の荒波を乗り越えてきた。

 規定打席には届いていないが、牧原大の打率3割9厘はリーグトップの村林(楽天)の3割5厘を上回る。残り21試合で1試合4打席ずつ立てばクリアする計算。打率3割1分ながら規定に2打席足りなかったのが22年だ。今季の本塁打はすべて8月以降。上位に座ることが増え、プロ15年目での悲願達成も見えた。

 だが、個人成績は二の次だ。9回に6打席目が回る可能性があったが、疲労を考慮して8回の守備から交代。「配慮はするけどチームあっての個人。(規定打席に)足らなくても、認定首位打者を目指せばいい」と小久保監督は言った。

「けがをせず(試合に)出ることだけが目標」と牧原大。ギラギラしたハングリー精神が、連覇へ向けたラストスパートの燃料となる。(島尾 浩一郎)

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