中日・祖父江大輔投手が5日、バンテリンドームで記者会見を開き、今季限りでの現役引退を表明した。

 2013年ドラフト5位で入団した右腕はリリーフ一筋で通算509試合に登板し、17勝27敗、12セーブ、136ホールド、防御率3・04。

今季は6月11日の楽天戦(楽天モバイル)で史上112人目の通算500登板を達成した。2020年は54登板で28ホールドを挙げ、最優秀中継ぎのタイトルを獲得。愛知高、愛知大、トヨタ自動車を経て中日へ。地元の愛知で野球人生を全うした。「楽しい思い出しかない」と終始、笑顔。後輩たちから慕われている38歳は花束を受け取り、楽しそうに記念撮影に応じた。今季は最後まで戦力としてプレー。会見後は2軍の新潟遠征に出発した。

 以下は主な一問一答

 ―決断は。

 「3日前ですね。球団に呼ばれて(来季の)構想外ということで。僕は中日で終わりたかったので、すぐに(引退を)伝えました」

 ―中日一筋の12年。

 「ずっと地元で野球をやってきて、地元のチームに憧れもあり、そこで12年間もできてうれしいです」

 ―構想外を告げられ。

 「自分でも気付いていたし、そうだろうなという気持ちです」

 ―思い出は。

 「つらいことも多かったと思うけど、いざ思い出すと、なくて。本当に楽しい思い出しか出てこないです。今のところ楽しかったことが9割。一つだけ悔しいのは、12年間で一度も優勝できなかったことです」

 ―仲間に慕われていた。

「投げたくないと思って球場に行く日もありましたけど、みんなに会ったら頑張ろうと思えました」

 ―後輩に残したものは。

 「ないですね。僕が楽しませてもらって、後輩に何か残せたことはないです」

 ―大野ら仲のいい選手たちへの報告は。

 「大野に直接伝えようと思ったけど、その日は先発だったから気を使って伝えなくて。他の人から聞いたみたいで、怒っていました。(高橋)周平とかも、そんなに悲しんでいなくて。

そこが僕のキャラかな。後輩とはいえ、友達みたい。楽しくできた理由は後輩や先輩のおかげです」

 ―500試合登板も達成したが、後悔は。

 「500試合も達成できて、井上監督に感謝の気持ちしかない。そこが区切りとは思わなかったし、まだやりたかったですけど、戦力になれなかったので。後悔とかはないです」

 ―リリーフ一筋。

 「中継ぎは天職だと思っていました。毎日試合に参加したいという気持ちがあったので、1年目に中継ぎで勝負したいですと言って。ここまで投げさせてもらえてうれしいです」

 ―20年に最優秀中継ぎ。

 「いい年でした。でもタイトルとか考えていなかったし、一試合一試合としか思っていなかったので。確かに良かったですけど、12年間すべて一緒です」

 ―地元での野球人生。

 「愛知県、名古屋市で生まれて、大好きな町。そこで地元のファンの人に応援してもらったことがすごくうれしいです」

 ―引退を決めた後の心境は。

 「そこまで変わらず。もう野球ができないと思ったけど、次の日も試合があったので。まだできますし、変わらないです。今から新潟(2軍の遠征)に行ってきます。抑えてきますよ」

編集部おすすめ