◆JERA セ・リーグ 巨人5―3ヤクルト(3日・京セラドーム大阪)

 巨人・阿部慎之助監督(46)の柔軟な打線改造が初回の電光石火の攻撃につながった。4試合ぶり4番の岡本、今季初8番の吉川がともに適時打を放ち、ヤクルト・ランバートから打者9人4安打の猛攻でいきなり4得点。

「素晴らしい集中力で。いい先制ができた」と主導権を握った。初回4得点は6月11日のソフトバンク戦(みずほペイペイ)以来今季2度目で最多タイ。起用が的中した。

 8月30日の阪神戦(甲子園)で7年ぶりに岡本を3番にいれ、そこから3試合連続3番・岡本、4番・岸田で臨んできた。初回から相手に重圧をかける狙いがあったが、「3番に入ってから一回もつながらなかったので戻した。それだけです」と本来の定位置の4番に戻した。3番・泉口と4番・岡本が3安打2打点。丸、若林の1、2番コンビも初回に連続四球で好機を作るなど役割を果たした。

 試合前のフリー打撃中、阿部監督は吉川に熱血指導した。スイングの軌道が大振りにならないよう、コンパクトなバットの出し方を伝授。ティー打撃では球団スタッフに動画の撮影を依頼し、その場で即、吉川に映像を見せて分かりやすく説明した。

直近5試合は2、6、5番に入って計19打数7安打、打率3割6分8厘と状態が悪いわけではなかったが、さらなる打率向上へ助言。「8番にいるのも相手からしたら嫌でしょうし、それがうまくはまってくれた」と7番・リチャードに次ぐ8番に今季初めて入れて新風を吹かせた。

 4試合連続2ケタ安打と打線の状態は上向き。打順を試行錯誤しながら9月に入って2連勝と状況が好転してきた。(片岡 優帆)

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