右肩痛で60日間の負傷者リスト(IL)入りしているドジャース佐々木朗希投手(23)の今季中のメジャー復帰が厳しい状況となった。前日2日(日本時間3日)にマイナーで4度目のリハビリ登板に臨んだ右腕について、ロバーツ監督は3日(同4日)、「(MLBのレベルに)到達していないのが現状」と説明。

地元メディアも「ワールドシリーズ進出のために必要としているわけではない」と厳しく評価した。

 20球団以上の争奪戦の末に海を渡った「令和の怪物」のメジャー1年目が、早くも終わってしまうかもしれない。右肩インピンジメント症候群で5月13日にIL入りしてから約4か月。前日に3Aの敵地・シュガーランド戦に先発して復帰後最長の5回を投げて3安打4失点だった朗希について、ロバーツ監督がパイレーツ戦前に厳しい評価を下した。

 「才能は間違いなくあるはずだけど、内容が伴っていない。もっと球の質を上げる必要があるし、3Aの打者相手ならもっと抑えられないと。メジャーで投げるには圧倒的な内容が必要だし、現状ではそこ(MLBのレベル)には到達していないと思う」

 シュガーランド戦の朗希は初回に2本の2ランを浴びて4失点。2回以降は立ち直ったが、69球で3四死球2奪三振。自己最速165キロにほど遠い最速96・9マイル(約155・9キロ)止まりで、マイナー防御率は7・07となった。これまで昇格の目安として「5回」「75球」を投げた上で結果を求めていた指揮官は、「5回を投げ切ったことは素晴らしい。投手コーチから聞く限り、球そのものはいい」としたが、もうシーズンは佳境。「ベストメンバーで戦わなければならない時期だから。

朗希には才能が十分あるけど、もっと見せてほしいというのが正直な気持ち」と本心を吐露した。

 懸念されていた右肩の状態には「100%健康なのは間違いないと思う」とロバーツ監督。だが、裏を返せば万全な状態で苦しんでいるということだ。地元紙「LAタイムズ」のJ・ハリス記者は「ドジャースはワールドシリーズ進出のために佐々木を必要としているわけではない」と厳しく報じた。

 ド軍3Aオクラホマシティーの今季日程は21日(同22日)まで。同記者から「今後は(球団施設のある)アリゾナで調整させるのか、それとも実戦登板を続けるのか」と問われた指揮官は、「それについては組織内で話し合って最善策を決める」とした。シーズン終了を待たずして、来季に向けて体づくりなどに突入する可能性もある。

 今季、メジャーでは8登板で1勝1敗、防御率4・72。故障者が出た時など有事に緊急昇格する可能性は残されているが、現状では山本ら先発陣の枚数はそろっており、厳しい立場に追い込まれた。

 ◆佐々木朗希の米1年目(すべて現地時間)

 ▼25年1月17日 ドジャースと契約金650万ドル(約10億1400万円=当時のレート)でマイナー契約。

 ▼2月11日 キャンプイン。

 ▼同21日 一般女性と結婚したことを発表。

 ▼3月4日 オープン戦初登板。最速99.3マイル(約159.8キロ)で3回無失点。

 ▼同11日 オープン戦2度目の登板で4回無失点。開幕2戦目の先発が内定。

 ▼同19日 開幕2戦目のカブス戦に東京Dでメジャーデビュー。3回1失点で今季唯一160キロ超。

 ▼5月3日 ブレーブス戦でメジャー初勝利。

 ▼同13日 右肩インピンジメント症候群でIL入り。

 ▼8月14日 マイナーで97日ぶりに対外試合登板も3回持たず。

 ▼9月2日 マイナー4度目の登板も5回4失点。メジャー昇格ならず。

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