◆米大リーグ オリオールズ2x―1ドジャース(5日、米メリーランド州ボルティモア=オリオールパーク)
ドジャースが5日、敵地でア・リーグ東地区最下位のオリオールズにサヨナラ負け。9回2死から不振の守護神スコットが劇弾を浴びた。
ベーブ・ルース生誕の地として知られるボルティモアではエンゼルス時代の23年5月15日(同16日)以来2年ぶり3度目の登板。3回。1死から9番メヨのボテボテの打球が不規則回転でファウルゾーンから一塁フェアゾーンへ。大谷は自ら処理して両手でタッチアウトにしたが、右手首を気にするしぐさもあった。四球と内野安打で2死一、二塁とされたが、ヘンダーソンを投ゴロに仕留めて切り抜けた。
味方が2死満塁の先制機を逃した直後の4回は先頭のマウントキャッスルに三塁線を破る二塁打を許し、暴投で無死三塁のピンチとなった。ここで走者ありでもノーワインドアップとなり、ギアチェンジ。100マイル(約160・9キロ)超を連発し、5番カウザーを100・9マイル(約162・4キロ)直球で空振り三振。6番リベラには101・5マイル(約163・3キロ)などで追い込み、スイーパーで空振り三振に斬った。
直球の平均球速は99・7マイル(約160・5キロ)。今季平均の98・2マイル(約158キロ)を1・5マイルも上回った。最速の101・5マイルは68球目。直球は最後6球は全て100マイル(約160・9キロ)超えだった。ベンチに引き揚げる際には敵地ながらスタンディングオベーションが起きる異様な光景だった。
この日は登板予定だったグラスノーが背中の張りを訴えて登板回避。体調不良で3日(同4日)の敵地・パイレーツ戦の登板を回避し、8日(同9日)の本拠地・ロッキーズ戦で先発することが発表されていた大谷の“漢気登板”が決定した。試合前に取材に応じたロバーツ監督は「最も重要なのは翔平が気分がいいと感じていること。病み上がりではあるが、トレーナーや関係者全員が(登板することを)了承した」と明かしていた。
試合後、指揮官は大谷の降板を決断したタイミングについて「もともとは4回60球を想定していたが、それを超えていたし、特に4回はストレスがかかる高い強度の投球が続いた。だから無理させる必要はないと思った」と説明。
その上で4連敗に関しては「相手だって我々と同じくらい勝ちたい。順位は関係ない。大事なのはどうプレーしているか。自分たち自身に集中するしかない」とロバーツ監督は自らに言い聞かせた。「明日はヨシ(由伸)が先発だ。彼に良い投球を期待している。楽な戦いではないが、戦い続けるしかない」と話した。