◆関西学生野球秋季リーグ戦 ▽第1節1回戦 近大6―1京大(6日・わかさスタジアム京都)

 秋季リーグ戦が開幕し、2季連続優勝を目指す近大の勝田成(かつだ・なる)二塁手(4年)が決勝打を含む4安打を放ち、10月23日のプロ野球ドラフト会議に向けて好スタートを切った。西武・滝沢の身長164センチを下回り、現在の12球団で最も小柄な163センチのNPB選手を目指す。

 開幕戦から全開だ。近大・勝田は初回1死で右前打を放つと、もう止まらない。3回2死で中越え二塁打、5回1死二塁で先制の右越え三塁打をマークした。7回1死は左前打、8回1死二、三塁は遊飛併殺打でサイクル安打はならなかったが、4安打で白星発進に貢献した。リーグ通算100安打まであと4本とし、「本塁打を打てる打者ではないので(サイクル安打の)意識はない」と、チームの勝利に徹した。

 春は最優秀選手と5度目のベストナインを獲得。24安打と9盗塁はリーグトップで、立命大・有馬伽久とともに、関西勢では2人だけが大学侍ジャパンに選ばれた。この日は3球団が視察。ロッテの三家スカウトは「スイングする力が着実に付いてきている。守備は一歩目が早い」と評価した。

 1か月半後にはドラフト会議が控える。「かかってくれ!という感じです」と順位は問わず、支配下での指名を願う。

くふうハヤテとオイシックスを除く12球団で現在、最も身長が低い選手は、164センチの西武・滝沢。163センチの勝田が最も小柄になる可能性がある。「小さな選手でもプロ野球選手になって活躍できることを証明したい。小さいから、どうやって目立つとか、生きる道があるのかを探しながらやってきた」と、言葉に力を込めた。

 同じくプロ志望届を提出した阪上翔也は2安打、野間翔一郎は1安打1打点、最速147キロ左腕の野口練は2回無失点でアピールした。4人全員がドラフトで指名されれば、1968年(東京=現ロッテ1位の有藤ら)、98年(巨人逆指名の二岡ら)、2003年(日本ハム自由獲得枠の糸井ら)の3人を超えて同校最多になる。「(リーグ戦の目標は)首位打者と無失策。守備と走塁を成長させてプロで戦いたい。大きな目標はゴールデン・グラブ賞」と勝田。大きな夢をかなえるべく、ラストシーズンで完全燃焼する。(伊井 亮一)

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