◆JERAセ・リーグ 阪神4―1広島(6日・甲子園

 「アイブラック兄弟」が劣勢をひっくり返した。0―1の4回1死一、二塁、まずは兄貴の出番だ。

阪神・佐藤輝はフルカウントから変化球を捉えた。一、二塁間を破る同点打。「ワンチャンスで同点にできたのは良かった。いいところに飛んでくれた」。3回まで完全投球を許していた広島・常広からチーム初安打。リーグトップの打点を89に伸ばし、反撃ののろしを上げた。

 頼れる兄貴分に続いたのは森下だった。同点の6回無死一、三塁で左前へ勝ち越し打。すでにキャリアハイでリーグ2位の打点は「ノルマ」の80に到達した。お立ち台では「ホームランは(佐藤)輝さんに勝てないので、打点は勝ちたい」と仲のいい先輩に宣戦布告。2人のハイレベルな争いが逆転勝ちをもたらした。

 開幕当初は3番・佐藤輝、4番・森下の並び。

開幕14戦目から入れ替わり、セ界の先頭を走ってきた。森下は「あした(7日)決めるしかない。絶対に決めます!」と虎党に宣言。佐藤輝は「しっかり目の前の試合を勝てるように」と、まだ冷静だ。首位独走をけん引してきた3、4番コンビ。2人が目指した歓喜のクライマックスは、もう目の前だ。(直川 響)

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