◆米大リーグ オリオールズ4x―3ドジャース(6日、米メリーランド州ボルティモア=オリオールパーク)

 オリオールズが、あと1死まで迫られたノーヒットノーランを阻止からのドラマチックな逆転勝利を収め、2試合連続でドジャーズにサヨナラ勝利し、5連勝を飾った。

 0―3で迎えた9回2死まで、ドジャース先発の山本由伸投手に無安打に抑えられていたが、ジャクソン・ホリデー内野手が起死回生の17号右中間本塁打。

ノーノーを阻止して一矢報いると、二塁打と3連続四球で1点差に迫り、リベラの中前2点適時サヨナラ打で4―3で逆転勝利。球団のレジェンド、カル・リプケン・ジュニア氏(現共同オーナー)が30年前に、ルー・ゲーリッグの大リーグ記録を破る2131試合連続試合出場を達成した日に、歴史的な勝利を収めた。

 「最高の気分。8回に入る頃、(打順を勘定して)、正直、おぉ、これは、自分に(最後の)打席が回ってくるんじゃないか、という気がしていたんだ。打球は入ったように見えたよ。(ノーヒッターを)断ち切ることができて嬉しかった」

 カウント2―1からの4球目。山本の112球目となる内角へのカットボールを捉えた。打球は右中間に伸び、4万2612人を集めた本拠地の大歓声の中、右中間スタンドの最前列に入って外野に跳ね返ってきた。二塁塁審が右手を回すと、スピードを緩め、ホームイン。ベンチで手荒い祝福を受けた。

 初対戦の山本に大苦戦した。「ビデオやデータでみるより、ずっと打ちづらい。

スプリットは打てると思って手を出したけど、激しく軌道が動いていた」

 対戦は4度。当初の予定は直球狙いだったという。初回は初球の直球で外野の正面となる中飛。「いい当たりだったけれど、コースは思い通りにいかないこともある」。唯一、得点機に走者進めた3回1死一、二塁の場面は、スプリットで二ゴロ併殺に倒れたが、「まだ、次の打席があるから、なんとかできるはず」と、気持ちを切り替えていた。

 「3打席で3球で終わりたくないと思い、もう少し、辛抱強くアプローチした」と振り返った6回は、2―2までカウントを見極めた末にスプリットで空振り三振。打席を重ねる中で、カットボールを狙おうと構想を練り直して迎えた最終打席。待っていた球が内角に来た。

 「山本はストライク率が高いから、それは打者への負担となる。ダグアウトでは、試合が進むにつれ、彼の調子が上がっていると皆が話していた。彼は、支配的だったし、失投がなかった。彼の投球は非常に効果的だ。

投球を見ていて楽しくなるとは、言いたくないけど、投手がプラン通りに投げて、打者のバランスを崩す様子をみるのは、楽しいものでもある。最後に(本塁打を)引き出せて良かったよ」

 好投した山本との4打席の中で感性を磨きながら、最後に最高の結果を出した。

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