◆第79回セントライト記念・G2(9月15日、中山競馬場・芝2200メートル=3着までに菊花賞の優先出走権)

 重賞級の力がありながらなかなかかみ合わないビーオンザカバー(牡3歳、美浦・伊藤圭三厩舎、父ハービンジャー)は、中山2200メートルでこそ狙いたい一頭だ。この条件は3走前に経験して9着だが、不運が重なってのもの。

中団インでじっくり脚をためたが、遅い流れを嫌った各馬が後方から続々と早めに進出。4コーナーでは進路が全くなく、ほとんど追うことすらできなかった一戦。参考外でいい。

 次戦の山藤賞は中団外めからリズム良く運び、2馬身半差の快勝。後方で待機するライバルの目標になりながらも、メンバー最速の末脚を繰り出し、力の違いを見せつけた。

 本命を託した前走のラジオNIKKEI賞は4着に終わったが、小回りの福島1800メートルで序盤の速い流れについていけず道中は離れた最後方。それでもラストは大外からただ一頭矢のような鋭い伸びを見せた。田辺裕信騎手が同馬に合わない速い流れで追走に脚を使った点に関し「もう少し脚をためていきたかった」とコメントしたように、もっと馬群についていけていれば…という内容だった。しかし、4着まで詰めたところに非凡なポテンシャルを再確認。今回は舞台も替わり距離も延びることで、中団あたりで運べれば突き抜けるシーンが浮かぶ。(石行 佑介)

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