◆米大リーグ ジャイアンツ―ドジャース(14日、米カリフォルニア州サンフランシスコ=オラクルパーク)

 ドジャース・大谷翔平投手(31)が14日(日本時間15日)、敵地・ジャイアンツ戦のスタメンに「1番・DH」で名を連ねた。史上6人目の2年連続50本塁打に王手をかけており、2戦連発で偉業達成を狙う。

 前日13日(同14日)の同戦では、3点を追う3回先頭でウェブから5試合ぶりの49号ソロをセンターの防球ネットに突き刺した。飛距離454フィート(約138・4メートル)は今季球団最長の特大弾。オラクルパークで生まれた今季の全アーチの中で最長、打球速度114・8マイル(約184・8キロ)も同最速だった。「本塁打の数がまずは大事ですけど、飛距離も一つの持ち味だと思う」と胸を張った。

 初回は18試合連続出塁となる遊撃内野安打から先制のホームを踏むと、9回1死では右前打で今季11度目の3安打猛打賞とし、3番フリーマンの適時二塁打でダメ押しの生還。前人未到の「50―50」(50発、50盗塁)を成し遂げた昨季打ち立てた自己最多の134得点に早くも並んだ。シーズン146得点ペースとし、1890年にH・コリンズがマークした148得点の球団記録にも迫る勢いだ。

 この日のジャイアンツ先発は21年サ・イヤング賞のR・レイ投手(33)。大谷は試合前の時点で通算14打数4安打の打率2割8分6厘、0打点となっている。

 オラクルパークは右翼場外の海に飛び込む「スプラッシュヒット」が有名だ。大谷は今年7月11日(同12日)に日本人選手では初の名物場外アーチを放った。同ヒットとして認定されるのはジ軍選手のみで、他球団の選手は参考記録となるが、年間2発目となればビジター選手では23年のJ・スウィンスキー(パイレーツ)以来3人目の快挙になる。

2年連続50号と“W快挙”の夢も膨らむ。

 ◇2年連続50本塁打の達成者

 ▽B・ルース(ヤンキース) 1920~21年/27~28年 54、59本/60、54本

 ▽M・マグワイア(アスレチックス、カージナルス) 1996~99年 52、58、70、65本

 ▽K・グリフィー(マリナーズ) 1997~98年 56、56本

 ▽S・ソーサ(カブス) 1998~02年 66、63、50、64本

 ▽A・ロドリゲス(レンジャーズ) 2001~02年 52、57本

 ◇スプラッシュヒットとは ジャイアンツ本拠地・オラクルパーク右翼場外のマッコビー湾に飛び込んだジ軍選手による本塁打の呼び名。00年の開場から107本が誕生している。今年7月に大谷は敵軍65号を放ち、両軍通算ではこの日まで173本。10年8月には福留孝介(カブス)が場外弾を放ったが、着水前に観客席後方の旗に当たったためカウントされなかった。ボートに乗った人たちが海に着弾したボールに群がる光景は名物となっている。

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