◆プロボクシング ▽東洋太平洋・日本女子フェザー級(57・1キロ以下)王座統一戦8回戦 〇東洋太平洋王者・大沢あねら(8回TKO)日本王者・若狭与志枝●(20日、東京・後楽園ホール)
東洋太平洋・日本女子フェザー級王座統一戦で、東洋太平洋王者・大沢あねら(22)=パンチアウト=が日本王者・若狭与志枝(37)=花形=を8回52秒TKOで下し、2冠王者に輝いた。
戦績は大沢が4勝(3KO)1分け、若狭が9勝(2KO)5敗。
試合開始のゴング直後、大沢が最初に放った右でいきなり先制のダウンを奪った。その後は王者同士のプライドがぶつかり合う激しい打撃戦に。若狭も被弾しながらも手を休めることなくパンチを繰り出したが、大沢が的確に右クロスをクリーンヒットさせポイントを重ねた。最終8回、大沢が連打をまとめ、右を顔面にヒットさせたところでレフェリーが割って入り、試合をストップした。
「ベルト2本を持つのは重くてきつかったです」と疲れのたまった両腕をさすった大沢は、開始直後のダウンを「相手がすごい勢いで来るだろうと思ったので、最初は強いパンチを打とうと思っていた。相手のタイミングに合わせられそうな感覚があったので、強いパンチを出した」と振り返った。プロキャリア11年でKO負けが一度もなかったタフなベテランにTKO勝ちし「打たれ強いと思っていたので、すごく自信になった。最後にしっかり(TKOで)決められて良かった」と笑顔を見せた。
大沢はアマチュア時代に目黒日大高、日大で活躍し、全日本ジュニア選手権優勝、全日本選手権準優勝などの実績を残して昨年8月にプロデビュー。今年6月、東洋太平洋王座決定戦で呉沛儀(台湾)を3―0の判定で下しデビュー4戦目で王座を獲得した。
1年前のデビュー戦は引き分けだったが、急成長を遂げた。その理由を「今年の4月と8月にフィリピンに行ったことが成長につながった。
今後については「少しだけ間を空けて、もうちょっと成長した状態に持って行きたい。メンタルがすごく弱いので、ちゃんと試合に耐えられるメンタルを作りたい。リングに上がれば切り替わるが、それまでは波がすごくあるので」と語り、世界挑戦については「もう少し成長してからじゃないと」と照れ笑い。22歳の2冠王者は、まだ発展途上だ。