◆プロボクシング ▽スーパーライト級(63・5キロ以下)8回戦 〇藤田炎村(1回TKO)小林孝彦●(22日、東京・後楽園ホール)

 前日本スーパーライト級王者の藤田炎村(ほむら、30)=横浜光=が小林孝彦(29)=一力=を1回2分51秒TKOで下し、連敗を2でストップ。23年12月以来の勝利を挙げた。

 試合開始1分過ぎ、藤田が右をたたきつけてダウンを奪った。再開後は、両者激しい打撃戦に。1回終了間際、藤田が右アッパーをクリーンヒットさせたところでレフェリーが割って入り、試合を止めた。

 開始早々のダウンを「パンチが当たる線が見えるまでは、いかなくていいやと思っていた。でも何も考えていなくて、気づいたら出ていた。自然と出るってこういうことかな」と振り返った藤田。その後は激しい打ち合いとなり「ボクシングというより、ケンカを買っちゃいました。本当はいろんな角度から攻めたかったが、普通に正面からケンカで殴り合ってしまった。次はない。これが最後のケンカです」と笑いながら171秒の“激闘”を振り返った。

 23年4月に日本王座を獲得したが、昨年4月、3度目の防衛戦で李健太(帝拳)に判定負けし王座陥落。さらに今年5月、川村英吉(角海老宝石)に3回TKO負けを喫した。

 再起戦へ向け「自分の中で3階級上のパワーと3階級下のスピードをテーマにしていた」という。今回の初回KOで「パワーの方はひとつの到達点にいけた。ここからはスピード。みんながやっていることをひたすらやりたい」と新たな課題を挙げた。

 「後楽園ホールで自分のために喜んでくれているのを見るのは久しぶり。みんなにありがとうって抱きつきたい」と駆けつけてくれた152人の応援団に感謝すると、「この2年間逃げなかった自分を、目いっぱい褒めてあげたい。ただの2連敗ですけど、この2年間が選手としても人としても強くしてくれた」と思いをかみしめた。

 今後は李、川村へのリベンジとともに、「スーパーライト級、ウエルター級のどっちの階級でもチャンスがあればいきたい」。約2年間の苦節を乗り越えた藤田が、再び王座を見据えた。

 戦績は藤田が13勝(11KO)3敗、小林が11勝(8KO)6敗。

編集部おすすめ