◆スポーツ報知・記者コラム「両国発」

 北海道でアマ野球取材を始めて6年。NPBに羽ばたく選手を多く見届けた。

世代の代表で活躍した選手もいれば、無名校からはい上がった選手など経歴は十人十色。中学時代の所属チームに焦点を当てると、近年プロ入りした道産子は意外にも軟式チーム所属選手が多い。

 当時15歳の私は「硬式の方がレベルが高い」と考え、中学硬式野球チームに入った。甲子園で活躍している選手はボーイズ、リトルシニアなどで経験を積んだ選手が目を引く。今夏の南北北海道代表の北海、旭川志峯はベンチ入りメンバー40人のうち30人が硬式出身だった。今秋のドラフト1位候補・石垣元気投手(健大高崎)や、日本ハム・伊藤大海投手も中学で硬式球を握った。

 一方、近年のドラフト会議に目を向けると、北海道では軟式出身者の指名が目立つ。2020年からの5年間で育成を含めて31人が指名を受け、そのうち中学で軟式チーム所属だった選手は22年ドラフト1位の斉藤優汰投手(広島)、2位の門別啓人投手(阪神)ら19人。硬式出身の12人を大きく上回った。

 今秋のドラフトでも大学日本代表の仙台大・平川蓮外野手を筆頭に中京大・秋山俊外野手、北海学園大・工藤泰己投手、高谷舟投手、札幌日大・窪田洋祐投手ら中学軟式勢が候補にズラリと並ぶ。これまで取材機会が少なかった中学軟式野球。今後は軟式、硬式にとらわれることなく金の卵を見つけていきたい。

(野球担当・島山 知房)

 ◆島山 知房(しまやま・ともふさ)2022年入社。硬式野球部マネジャーを務めた立命大では広島・山足、元巨人・桜井と同期。

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