◆米大リーグ ダイヤモンドバックス4―5ドジャース=延長11回=(24日、米アリゾナ州フェニックス=チェースフィールド)

 ドジャースが24日(日本時間25日)、敵地でDバックスを延長11回で振り切り、4年連続地区優勝にマジック1とした。右肩故障からメジャー復帰した佐々木朗希投手(23)が7回から日米初の救援登板(マイナー戦などを除く)。

1回を無安打無失点2Kの好投でブルペンの救世主に名乗りを上げた。「1番・DH」でフル出場した大谷翔平投手(31)は3試合本塁打なしでトップに3本差。3年連続本塁打王に黄信号がともった。優勝のかかる25日(同26日午前4時40分開始)のDバックス戦は山本が先発する。

 苦しむリリーフ陣の救世主として帰ってきた。出番は2点リードの7回。朗希は約3分で肩をつくり、ブルペンから走ってマウンドに向かった。「思ったより(出番が)急だったので、緊張してる余裕もなかったです」。メジャー初救援となったが、圧巻のショータイムが幕を開けた。

 先頭の6番マキャンに対し、初球は99・1マイル(約159・5キロ)直球でストライク。三ゴロに斬ると、続くタワは99・1マイル直球で見逃し三振。バルガスへの初球にはこの日最速の99・8マイル(約160・6キロ)を計測し、最後は99・5マイル(約160・1キロ)直球で空振り三振を奪った。

13球のうち、7球を投じた直球の平均球速は99・2マイル(約159・6キロ)。1イニングながら、マイナーを含めても渡米後最も安定して速い球を投げ続けた。

 「試合にいくまでの準備がリリーバーは(先発よりも)短いので、そこらへんは工夫がいりますし…」としながら、「今日はスピードも出てましたし、コントロールも良かった」と自画自賛。ベンチではロバーツ監督と固く握手。大谷には両手で頭をポンとされるなど祝福を受けた。指揮官は「(以前とは)別人に見えた。我々を助けてくれた。彼の成長を誇りに思う」と目を細めた。

 5月に右肩痛を訴えて負傷者リスト入り。8月には3Aで実戦復帰したが、思うように結果も球速も出なかった。スタッフと改善に取り組む中で「球速が出せる体の使い方というか、フォームを見つけることができた。まず肩の動きが良くなって、あとは下半身の動きを重点的にやりました」。

チーム状況を考えた上で一時的な救援転向も受け入れ、5月9日以来138日ぶりの憧れの舞台で再び躍動した。

 安定感を欠くリリーフ陣がまたも崩れて8回に一時同点とされたチームだが、4年連続の地区優勝へ王手をかけた。一方で、ポストシーズン(PS)は30日(同10月1日)のワイルドカードシリーズから出場することが決まった。「残りの試合で登板を重ねて、いい準備ができたら」と朗希。連投や中1日も「コンディション的にはいけると思う」と力強く話した。PSの前に、中1日以上を空けて26日(同27日)からの敵地・マリナーズ戦でも登板予定。王者の“秘密兵器”は決戦に備えて牙を研ぐ。(中村 晃大)

 ◆佐々木の復帰までの経過(日付は現地時間)

 ▽5月3日 デビュー7戦目の敵地ブレーブス戦でメジャー初勝利。

 ▽同9日 日米初の中5日で先発した敵地Dバックス戦で5回途中5失点。

 ▽同13日 「右肩インピンジメント症候群」のため負傷者リスト入り。

 ▽7月11日 ブルペン投球再開。

 ▽同29日 負傷後初の実戦形式登板。

 ▽8月14日 3Aで97日ぶりに対外試合登板も予定の3回を投げ切れず。

 ▽9月2日 4度目のリハビリ登板で5回4失点。ロバーツ監督は「現状では(メジャーのレベルに)到達していない」。

 ▽同9日 3Aで5回途中3失点8奪三振。今季最速100.6マイル(約161.9キロ)も右ふくらはぎを負傷。

 ▽同18日 3Aで日米初の救援登板。1回無安打無失点。

 ▽同21日 中2日で2度目の救援登板。

 ▽同23日 約4か月ぶりにメジャー合流。

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